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【夏サミ2017】セッションレポート

外部コミュニティへの貢献が、自社プロダクトの価値を高める理由――ソウゾウのエキスパートエンジニアが語る

【A-3】コミュニティ活動と企業の相互作用 ~コミュニティへの貢献と組織活動への還元~

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コミュニティ活動のコツは、ハードルを上げすぎないこと

 ここまで、ソウゾウが考えるコミュニティの概要を紹介してきたが、ここからは上田氏が実際に取り組んでいるコミュニティ活動を例に挙げて説明した。

 Google Cloud Platform(GCP)に関する知見を共有するコミュニティ「GCPUG」や、Goをプロダクト開発に採用している企業が集まって月に1回ほど行う「golang.tokyo」など、活動は幅広い。また、「Go Conference」という国内最大のGoのカンファレンスも運営している。これは年に2回程度のペースで、Goコミュニティの大きな発展の場として実施しており、カンファレンスでの発表を目標に取り組んだり、海外のゲストを呼んだりもする。こういった外部のコミュニティで得た知見は、きちんと社内に還元する。そのため、チームごとの勉強会を設けている。

ソウゾウの社内勉強会
ソウゾウの社内勉強会

 社内勉強会の中で一番長く続いている「Go Friday」は、GoやGCPに関する社内の勉強会だ。ソウゾウは複数のプロダクトを開発しているため、ここでは各プロジェクト間で横断的な話を共有している。具体的には設計方針やライブラリの相談や、社外でのアウトプットを練習する場としても活用されているという。この勉強会が長く続いている理由を、上田氏は次のように語る。

 「『短期的なインパクトよりも継続することが大事』という視点を持っているからだと思います。Go Fridayのポリシーとして、『資料の準備を頑張らない』『スキップしない』『APIチームに関わる相談でもよい』といったことを掲げています」

 このように、多様なコミュニティでの活動を社内へ還元する際のコツを話した後、上田氏はさらに、コミュニティ運営において大切にしていることを紹介した。それは「教育」である。

 「私はビギナー向けからエキスパート向けまで、幅広く勉強会を開いています。最初は誰もがビギナーなので、情報が必要です」

 ビギナー向けの資料を蓄積することで、学習の敷居を下げられる。また、コミュニティでは同じようなモチベーションの人たちが集まるので、積極的なアウトプットができ、さらなるモチベーションのアップにつながる。具体的には、「Goビギナーズ」というビギナー向けの勉強会を開催している。ハンズオンをきっかけにGoの学習をスタートし、1~2か月後にLT大会を行ってアウトプットをするという内容だ。合宿などもあり、誰かと一緒に開発することが参加者のモチベーションにつながることを実感しているという。

 また、学校教育にも力を入れており、高校・高専・大学において技術教育の支援を行っている。その活動の一環として、7月末に、会津大学にてGoの講義を行ったそうだ。

 「私は学校にもGoを普及させたいと思っていて、そこではメルカリ/ソウゾウでの活用事例、その中で得た知見の共有、学生によるLTを行いました。学生のLTはかなりレベルが高く、こちらへの刺激にもなりました。また、『趣味で何を開発しているのか』『どういった言語を使っているか』『何を情報源にしているか』など、学生の現状も聞きました。これはわれわれ企業にとってもよい情報になるので、積極的に取り組みたいと思っているところです」

 こうした教育を行うことで蓄積された資料は、社内の「エキスパートGo」と呼ばれる勉強会で還元している。

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「簡単に」「手短に」の意識で、持続性の高いコミュニティとの関わり方が可能に

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この記事の著者

岡田 果子(編集部)(オカダ カコ)

2017年7月よりCodeZine編集部所属。慶応義塾大学文学部英米文学専攻卒。前職は書籍編集で、趣味・実用書を中心にスポーツや医療関連の書籍を多く担当した。JavaScript勉強中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/10414 2017/09/15 14:00

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