ビジネス課題から社会的な課題まで、今年の優秀賞はどんな作品に?
実際にどのような作品が出品されたのだろうか。今年はまだ選考中なので、参考までに過去の受賞作品を見てみよう。高田氏によると「基本的にはアプリケーションのなかで何らかのシスコ製品やサービスと連携するもの」という条件があるものの、後は自由だ。大園氏が「シスコ製品が主役でなくてもいいです」という通り、過去の受賞作品は実に多彩だ。本当にシスコ製品が使われているのか? と思えるものまである。
2019年の優秀賞「Cisco x Buddycom 音声と映像を使った現場の為のソリューション」はスマートフォン向けIP無線アプリとWebex TeamsをAPI連携し、音声通話の内容をWebex Teamsで可視化して、ユーザーのパフォーマンス向上に寄与するアプリケーションだ。また「Cisco プロダクトを利用した、災害時の無線 LAN 利活用促進システム」は災害時に提供するWi-Fiで、位置情報とあわせて安否確認を行うなど社会的な課題を解決する。大学院生らが開発した「SkillConnector」は遠隔からの教育指導に役立てる。審査員特別賞では「量子コンピュータを用いたネットワーク経路最適化」のように量子コンピュータとCisco DNAを組み合わせた作品もあった。
作品群はコンテストで評価されて終わりとは限らない。作品のなかには自社のソリューションとして発展するケースもある。大園氏は「コンテストはむしろ終了後のほうが大事」と話す。コンテスト参加をきっかけにシスコやDevNetとつながり、より学びを深め、スキルアップにつながるケースが多い。
主催するシスコにとって、エンジニアとの接点を増やすことはメリットにつながっている。製品やサービスへの愛着だけではなく、作品に盛り込まれたアイデアが刺激になっている。山崎氏は「今年は複数企業の有志連合のようなチームもありました。多様なアイデアが盛り込まれていて、新しいアプリケーションができたと手応えを感じています」とわくわくした様子で話す。
繰り返しになるが、2020年の最終結果は11月のファイナルコンテストにて決まる。オンラインイベントで開催される予定で、現在は着々と選考と準備が進められている。高田氏は「ぜひファイナルステージにライブで参加してください」と呼びかける。最終選考に残ったチームのプレゼンを見れば、新たなイノベーションのアイデアを膨らむかもしれない。お気に入りのチームに投票して、コンテストの臨場感を味わうのもいいだろう。
山崎氏は「百聞は一見にしかず。参加すれば新しい刺激がえられると思います。これからもいろいろと計画しているので、DevNetコミュニティに興味を持ち、参加してください」と話す。大園氏は「何かを作ることは苦しい時もありますが、楽しいことです。ぜひ、いろんなアプリケーションやサービスなどの開発に取り組んでみてください」と話す。その顔が本当に楽しそうだ。
コンテストでありながらも作品提出まで、いろいろと学べてしまうコンテストだ。これからDXやイノベーションに取り組んでみたい多くの人にとって貴重な機会となるだろう。ぜひ来年はコンテストに参加して、仲間と一緒にアプリケーションを開発してはどうだろうか。
「Japan DevNet イノベーションチャレンジ 2020」最終審査会は11月25日に開催!
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