ランタイム環境の追加方法
これで、一通り、動的WebプロジェクトによるEEアプリケーション作成が行えるようになりました。最後に、ランタイム環境の追加方法を紹介しておきましょう。
ランタイム環境の管理は設定画面
現在利用可能なアプリケーションサーバ、つまり、ランタイム環境の管理は、Eclipseの設定画面から行えます。設定画面を表示させ、左ペインから
[サーバー] > [ランタイム環境]
を選択してください。図26の画面が表示されます。
この画面は、図16の新規サーバーの定義画面右下にある、[ランタイム環境の構成]リンクをクリックしても表示されます。この画面に表示されているランタイム環境リストは、まさに図4の新規動的Webプロジェクト作成画面のターゲットランタイムドロップダウンリストの選択肢そのものです。ここにランタイム環境を追加することで、作成できる動的Webプロジェクトの種類も、サーバ定義の種類も増えます。
Tomcat 10を追加してみる
[追加]ボタンをクリックしてください。図27の画面が表示されます。なお、この画面は、図4の新規動的Webプロジェクト作成画面のターゲットランタイムドロップダウンリスト右横の[新規ランタイム]ボタンをクリックして表示される画面と同じです。
この画面から、アプリケーションサーバの種類を選択します。手始めにTomcatの最新版である10を追加していきましょう。なお、Tomcat 10はPleiades All in Oneには含まれていないので、あらかじめTomcat 10のダウンロードページからバイナリzipファイルをダウンロードし、適切なフォルダ内に解凍、配置しておいてください。図27の画面から[Apache Tomcat v10.0]を選択し、[次へ]をクリックしてください。すると、図28の画面が表示されます。
[Tomcatインストールディレクトリー]にあらかじめ配置しておいたTomcat 10のフォルダを指定します。その上で、[完了]をクリックすると、図29のようにランタイム環境としてTomcat 10が追加されています。
この状態で動的Webプロジェクトを作成しようとすると、図4の新規動的Webプロジェクト作成画面のターゲットランタイムドロップダウンリストから、Tomcat 10が選択できるようになります。また、図16の新規サーバーの定義画面からも、Tomcat 10が選択できるようになります。
Tomcat自動ダウンロード
図28のTomcatサーバーの追加画面には、[ダウンロードしてインストール]のボタンがあります。こちらをクリックして表示されたウィザードに従えば、実はTomcatのダウンロードを自動で行えます。
ただし、環境によってはうまくダウンロードできない場合があります。さらに、手動でダウンロードするよりは、少し古いバージョンとなっています。そのため、本稿では手動でダウンロードした上で、そのフォルダを指定する方法を採用しています。次項で紹介するWildFlyについても、同様の理由で、手動でダウンロードする方法で紹介します。
WildFlyを追加してみる
最後にTomcat以外のアプリケーションサーバの追加方法も紹介しておきましょう。ここでは、JBossのコミュニティ版であるWildFlyを追加してみます。このWildFlyも、Tomcat 10同様に、WildFlyのサイトにある[DOWNLOAD THE ZIP]ボタンから最新版(バージョン23)のzipファイルをダウンロードし、適切なフォルダ内に解凍、配置しておいてください。
その上で、図26の[追加]ボタンをクリックして表示される新規サーバーランタイム環境画面をスクロールしていき、[Red Hat JBoss Middleware]フォルダを展開し、中の[JBoss AS, WildFly & EAP Server Tools]を選択し、[次へ]をクリックします(図30)。
すると、図31のライセンスに同意を求める画面が表示されます。
実は、JBossやWildFly用のランタイム環境を作成しようとすると、別途プラグインをインストールする必要があります。図31のライセンス画面はそのためのものです。同意のラジオボタンを選択し、[完了]をクリックすると、プラグインのダウンロード、インストールが始まります。途中、インストールの許可などのダイアログや、Eclipseを再起動するダイアログなどが表示されるので、その都度先に進んでください。
最終的にEclipseが再起動され、もう一度、新規サーバーランタイム環境画面を表示させると、JBoss関連のランタイムの選択肢が増えています。このうち、図32のように、[JBossコミュニティー]フォルダを展開し、中の[WildFly 23 Runtime]を選択し、[次へ]をクリックしてください。
すると、図33の画面が表示されるので、[ホームディレクトリー]にあらかじめ配置しておいたWildFly 23のフォルダを、[ランタイムJRE]として[JavaSE-14]を選択して[完了]をクリックします。
これで、WildFly用の動的Webプロジェクトの作成や、サーバ定義の作成が行えるようになります。
まとめ
今回は、EclipseでWebアプリケーションを開発するためのプラグインの2回目として、WTPによる動的Webプロジェクトの作成方法、および、サーバ定義の方法を紹介しました。次回は、EclipseからGit操作が行えるプラグインである、EGitを紹介します。