デプロイ先サーバの管理
WTPでは、作成するプロジェクトと、デプロイするアプリケーションサーバが別管理となっています。ここまでの話は、あくまでプロジェクトの作成方法の解説でした。ここからは、サーバの管理方法を紹介します。
サーバの管理は専用ビューで行う
デプロイ先アプリケーションサーバの管理は、サーバービューで行います。Java EEパースペクティブの場合は、デフォルトで画面下部にサーバービュータブが存在します。それをクリックすると、図14の画面となります。
もし、サーバービューが表示されていない場合は、第1回で紹介した方法を参考に、表示させてください。現在、何もサーバ定義が作成されていないので、図14のような表記になっています。そのリンクをクリックするか、ビュー上を右クリックして表示されたメニューから
[新規] > [サーバー]
を選択してください(図15)。
すると、図16の画面が表示されます。
現在、Tomcat 9むけのアプリケーションを作成しているので、図16のように、[Tomcat v9.0 サーバー]を選択してください。なお、先述のように、Pleiades All in Oneに含まれているサーバ環境は、Tomcat 6〜9です。図16にはそれ以外の選択肢も用意されていますが、それらを利用する場合は、あらかじめランタイム環境として追加しておく必要があります。こちらについても後述します。
サーバにプロジェクトを追加
図16の状態で[完了]をクリックすると、サーバ定義が作成され、Eclipseがそのサーバを管理できるようになり、起動や終了などが行えるようになります。ただし、それはあくまでサーバのみで、そこにアプリケーションをデプロイできるようにするには、サーバ定義にプロジェクトを関連付ける必要があります。これは、サーバ定義を作成したあとでももちろん可能ですが、図16の画面で[次へ]をクリックして表示される図17の第2画面であらかじめ設定可能です。
この画面の左側に現在追加可能なプロジェクトが表示されるので、追加するものを選択して[追加]をクリックするか、[すべて追加]をクリックしてください。追加されたものは右側に移動します。その状態で[完了]をクリックすると、サーバ定義が作成され、サーバービューが図18のようになります。
もしあらかじめ作成されたサーバ定義に、プロジェクトを追加する場合は、サーバ定義を右クリックして表示されるメニューから、[追加および除去]を選択すると、図17と同じ画面が表示され、追加できるようになっています。
サーバ定義の詳細表示
このようにして作成したサーバ定義については、そのサーバ定義をダブルクリックすることで詳細内容が確認できます。試しに、ここで作成したTomcat 9のサーバ定義をダブルクリックすると、エディタ領域に図20のウィンドウが表示されます。
また、サーバ定義を作成すると、プロジェクトエクスプローラー上に自動的にServersというフォルダが作成され、その中に、作成したサーバ定義に関する設定ファイルが格納される仕組みとなっています(図21)。
サーバの起動と終了
サーバの起動と終了も、サーバービューから行います。サーバ定義を右クリックして表示される図19のメニューから、[開始]を選択します。すると、コンソールタブ上に、Tomcatの起動に関するさまざまなログが表示され、Tomcatが起動します。無事起動が終了すると、図18のようにサーバ定義右横に「停止」と記述されていた表記が、図22のように「始動済み」に変わります。
さらに、サーバに追加されているFirstEEProjectにも「同期済み」と表示されています。この状態で既にTomcatへのデプロイが完了したことになります。試しに、先に作成したHelloServletを、前回と同様のコードに書き換え、URLパターン/helloでアクセス可能なように@WebServletアノテーションを記述し、その上で、以下のURLにアクセスすると、図23の画面が表示されます。
ファイルの変更後はサーバを再起動
これで一通りアプリケーションの作成環境は整いました。ただし、動的Webプロジェクトでのアプリケーション作成には注意が必要なことがあります。それは、Eclipse内のファイルの変更を行った場合、サーバを再起動しなければならない、ということです。これは、サーバービューでサーバ定義を右クリックして表示されたメニューから[再開]を選択します(図24)。
変更が即時反映さえるTomcatプロジェクトに比べて不便ですが、アプリケーションサーバを利用する上では、こちらが正攻法といえます。
デバッグもデバッグ起動が必要
もう1つ、Tomcatプロジェクトに比べて不便に感じる点がデバッグです。前回紹介したように、Tomcatプロジェクトでは単にブレイクポイントを置くだけで、デバッグ可能でした。
一方、動的Webプロジェクトの場合は、ブレイクポイント置いた上で、サーバをデバッグ起動する必要があります。これは、サーバ定義を右クリックして表示される図19のメニューから[デバッグ]を選択します。既にサーバが起動している場合は、メニューは図24のようになっているので、[デバッグで再起動]を選択します。
Tomcatのホットリロード
先述のように、動的Webプロジェクトでは、ファイルの変更を反映させるには、原則サーバの再起動が必要です。ただし、Tomcatの場合、即時反映させることが可能です。それは、Tomcatには、そのような機能が含まれており、これを「ホットリロード」あるいは「自動再ロード」といいます。
このホットリロードの可、不可は、設定で変更できます。本番環境では、もちろん不可に設定しますが、開発段階では可の方が効率がよいです。図20のサーバ定義の詳細内容を表示させた画面の左下から[モジュール]タブを選択します。図25の画面が表示されます。
Webモジュールの表中の自動ロードが「使用不可」になっています。これは、[編集]ボタンをクリックして表示されるダイアログで変更できます。