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企業の技術インターンから学ぶ、次世代エンジニアの育成

CARTA HOLDINGSの伝統インターン「Treasure」──ベテランから若手エンジニアへ受け継がれる開発の意思とは?

企業の技術インターンから学ぶ、次世代エンジニアの育成 第2回

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 近年、エンジニアの需要が高まる中で、あらゆる企業が工夫を凝らした学生のインターンを行っている。その中でCARTA HOLDINGSは、2006年からもの創り実践プログラム「Treasure」という名のエンジニア向けの学生インターンを実施し、これまで大きな反響を呼んでいる。今回は、長年続く伝統のインターン「Treasure」が生まれた背景や具体的な内容、次世代エンジニアの教育方針について、CARTA HOLDINGS 執行役員CTOの鈴木健太氏と、エンジニア採用担当の瀬尾友美氏に語ってもらった。

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Webアプリケーション開発が総合的に学べるインターン「Treasure」とは?

──自己紹介をお願いします。現在、お仕事でどのようなことをしていますか?

鈴木健太(以下、鈴木):鈴木健太です。CARTA HOLDINGSで執行役員CTOをやっています。2012年にVOYAGE GROUP(CARTAの前身会社)に新卒入社して、その後2019年に経営統合したCARTA HOLDINGSで、2022年からCTOを務めています。それまでは、子会社のfluctでもCTOを務め、エンジニアとしてプロダクト作りをしていました。

CARTA HOLDINGS 執行役員CTO 鈴木健太氏
CARTA HOLDINGS 執行役員CTO 鈴木健太氏

瀬尾友美(以下、瀬尾):瀬尾友美です。CARTA HOLDINGSのHR本部で新卒エンジニア採用を担当しています。2016年にVOYAGE GROUPに新卒で入社して、広告営業をしていました。2年で一度退職しスタートアップに転職しました。その後、改めて人事としてキャリアを再スタートさせたいと思い、2019年12月にCARTA HOLDINGSに戻ってきました。人事としては4年目になります。

CARTA HOLDINGS HR本部 新卒のエンジニア採用担当 瀬尾友美氏
CARTA HOLDINGS HR本部 新卒のエンジニア採用担当 瀬尾友美氏

──CARTA HOLDINGSで行ってきたインターンの概要と、具体的なカリキュラムや取り組み内容について教えてください。

瀬尾:現在、2種類のインターンを行っています。夏に「Treasure」、秋には大規模サービス構築プログラム「Sunrise」という名のエンジニア向けの学生インターンを行っています。

 今回は「Treasure」の内容についてメインでお話します。「Treasure」の前半はWebアプリケーション開発に対する体系的な講義を行い、後半はチームでプロダクト開発を行うカリキュラムとなっており、Web技術全体を学べる形式のインターンです。

 前半の講義では、まずバックエンドをテーマに行います。言語としてはGoを利用し、バックエンドの概念やAPIの仕組みなども学びます。次にフロントエンドです。

 今年は、ReactとTypeScriptで実施しました。あとはデータモデリングの講義や、プロダクト作りのためにアイディア講義というものも実施していました。また、学生によってなじみがない分野や得意不得意があるので、もう少し深められるよう講義期間中に復習時間を丸一日設けています。

鈴木:ただ、Web技術の分野は非常に深く広いので、チームでアプリケーションを作るときに必要な要素をピックアップして講義を並べている感じです。とはいえ、実務の中で使われているものになるべく近く、基礎になるものをピックアップしています。また、技術選定段階で、現場の認知を得ているものを選びながら講義を組み立てています。

 Goの講義に関しては2016年ぐらいから、もう5〜6年ほどやっています。その前はPHPやRubyをやっていました。

 フロントエンドの講義がTypeScriptになったのはversion 1.0が出てわりとすぐだと思うんですけど、Reactも割と早い段階で取り入れられていました。ここ何年かはReactを継続して教えています。ただ、学生の中にはRubyのほうが慣れている人もいますし、iOSやAndroidでUIを作っている人たちもいるので、講義として取り入れるかどうかは毎年悩みどころではあります。

瀬尾:後半のチーム開発ではここ数年のテーマとして「価値のあるもの創り」と、かなり抽象的なものにしています。そこに対してみんなでアイディアを自由に出してもらって、設計やモデリングをして作っていく形になります。実際アウトプットされたプロダクトは本当にさまざまです。

鈴木:後半のプロダクト作成のときは基本的にみんな同じものを学んでいるので、前半で学んだ技術を使うことが多いですが、作りたいものによって別の言語を使いたいことはあります。また、「Treasure」だとAWSのアカウントを各チームに配っていて、ある程度自由に使える環境を提供しています。

 また講義では、学生をサポートするエンジニアが何人かついていますが、チーム開発のときも1チームに1〜2名のエンジニアがサポーターで参加します。

鈴木:後半のほうが関わる社員の人数は多いです。前半の講義は、1日1テーマでサポートのエンジニアが何人かついていますが、後半はチームごとに人をつけるのでチームの分だけ人が必要です。

瀬尾:総じて運営に関わる社員は、「Treasure」に参加する学生より多いですね。

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「今年もTreasureの季節ですね」──若手エンジニアに受け継がれるインターンの意識

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この記事の著者

小玉 莉子(編集部)(コダマ リコ)

 2022年に新卒で翔泳社へ入社し、CodeZine編集部に配属。 公立はこだて未来大学情報アーキテクチャ学科卒。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/16993 2023/04/04 11:00

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