生成AIエンジニアに求められる「プロンプト✕AI✕ソフトウェア」のスキルセット
それでは具体的にAIを活用するために、それぞれの人材には、具体的にどのようなスキルセットが求められるようになっていくのか。
業務で日常的に活用する人は、ツールやデバイスがAIインターフェースになるため、あまり意識せずにAIを使いこなせるようになる。スキルとしては、業務理解とともにAIと対話できる論理力、質問力などが求められる。
プロンプトエンジニアには、さまざまなAPIとのインテグレーションやワークフローオーケストレーションなどが求められるため、業務設計やプログラミング的思考、そしてAPIやJSON(JavaScript Object Notation)などのWebリテラシーが欠かせない。そして、AIエンジニアについては、SLM台頭に伴い、ハードやアルゴリズムなどの知識も幅広く求められるようになる。また、オペレーションも含めてチューニングによって最適化するスキルも必要になる。
森重氏は、そうした一般的なスキルに加え、AIを活用するあらゆる人のベーススキルとして、「批判的思考力」をあげる。生成AIが生成したものを批判的に捉える、既存の業務フローを批判的に捉えるといった姿勢と能力が、現在の結果にとらわれず、より高みを目指す動力となるわけだ。そして、「そのような観点を持てるかどうかで、生成AIに飲み込まれるか、より良くしていくか、それ以上のものを作り出していくかが決まる」と語った。
さらに、森重氏は「生成AIの知識やプログラミングのスキルは時間をかければ十分に修得できる。あとは、それ以上に時間をかけてしっかりと自分の中で『生成AIエンジニアリングマインド』のようなものを醸成していく必要がある」と語り、「生成AIを扱えるエンジニアが世の中に少ない中で、学ぶことを前提とし、その上でマインドセットに向き合って醸成するほうが重要」と強調した。
新田氏は、「これからの生成AIエンジニアには、『プロンプトエンジニアリング』と『AIエンジニアリング』に加えて、APIやデータなど高機能部との連携を実施できる『ソフトウェアエンジニアリング』という3つのエンジニアリングスキルの"掛け算"が必須。それによって、さまざまな目的、用途に応じて実用的に使えるAIプロダクトができるはず」と語った。
そして、最後に2人が属するGivery AIラボについて、「さまざまなメンバーとコミュニティを形成し、多くの企業に対して生成AIの導入から開発、伴走、教育までを幅広く提供している」と紹介。生成AIを体系的に学べる「メタバースアカデミー」の開講など、人材育成研修や専門環境の構築などを通じて、真のDXを実現する支援を行うという。生成AIの活用、教育などに関心のある方は問い合わせてみてはいかがだろうか。