SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

テックカンパニーとして進化するリクルート(AD)

「クライアントの声が聞きたい!」──新卒1年目エンジニアが職務を超えてプロジェクトを成功に導くまで

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

入社5カ月で新規プロダクト開発プロジェクトに参加

 ユーザーの近くで働きたいという思いが叶ってか、そんな佐久間氏が引っ越し業者支援SaaSの開発プロジェクトに参画することになったのは1年目の8月。約2カ月間の新人研修後、住まい領域エンジニアリング部に配属されて3カ月が経った頃だった。

 先述したように引っ越し業界はデジタル化が進んでおらず、トラックを管理するシステム導入もまだまだ進んでいなかった。UI/UXを含めて引っ越し業者の方はどんなものを求めているのか。開発を進めようと思っても、佐久間氏は引っ越し業界に関する知識はない。

 さらに、引っ越し業界が繁忙期を迎える前の12月にはプロトタイプをリリースして、フィードバックをできるだけ早く得たいという事情もあった。そのため、開発期間は4カ月という短期間でのチャレンジとなった。

 チームは事業戦略を練るプロデューサー、プロダクトへの要求や要件を考えるプロダクトマネージャー(PdM)、デザイナー2人、エンジニア2人、営業1人、QA1人という比較的小規模な構成。実際にプロダクト開発に携わるのは佐久間氏を含めて2人というチャレンジングなプロジェクトだった。ちなみに佐久間氏の担当はフロントエンド。開発する機能も多く、実装方法にナレッジがなかった。

 「限られた開発期間でのリリースを叶え、かつ業務効率化につながるよう、要求や要件を優先順位付けしていかねばなりません。また要求の見立て・要件の仕立てが難しかったため、フィードバックループを回しながら開発しました。そこが一番、苦労したところですね」(佐久間氏)。

 もう一つ、開発の障壁となったのがコミュニケーションだ。入社1年目で、チームに参画してまだ間もないことから、チームメンバーとの関係性の構築も進んでいなかった。

 「『なぜSaaSを作るのか』『事業戦略上、どう影響があるのか』など、事業理解も進んでいませんでした。しかも短納期で開発人員も少ない。自分のモチベーションを維持することも難しく、参画して2~3週間したころに、本当にできるのか、危機感を持ちました」(佐久間氏)

「危機感」から始まり、動き出した先に得られたもの

 危機感を解消すべく、佐久間氏はメンターに相談したという。リクルートでは新卒社員に対してメンター制度を導入しており、同部署の先輩がサポートしてくれる。「先輩に業界を理解したいと相談したところ、営業の方や事業戦略を練っている方につないでもらいました」(佐久間氏)

 営業担当者やプロデューサーに話をすると、「資料を読むのも良いが、クライアントにヒアリングするのが一番、理解が早い」とクライアントヒアリングに行くことを勧められた。当時はまだヒアリング経験が浅く、若干の戸惑いや緊張があったものの、それでもクライアントヒアリングに赴いたのは、自信を持ってクライアントに良いと思ってもらえるプロダクトを作りたかったからだ。

 クライアントヒアリングを複数回行っているうちに、佐久間氏は相手からより多くの情報をいただくコツも掴んでいった。「イエス、ノーで答えられるような質問ではなく、相手がいろいろ話してくれるようなオープンクエスチョンを心がけていました」と佐久間氏。例えば「このプロダクトを使って案件管理をするなら、どう動かしますか」「こんなUIにしようと思っていますが、どう思いますか」などだ。

 こうしてクライアントからたくさんの意見をいただきつつ、壁打ちすることで要求・要件の優先順位を付け、フィードバックループを回し、開発を進めていったという。そんな行動を繰り返しているうち、クライアントからも「早く使ってみたい」という意見をもらうことが増えてきた。「未経験の領域で難しいプロジェクトを遂行する中で、その言葉は大きなモチベーションになった」と佐久間氏は言う。

 クライアントの生の意見が聞けただけではない。「私だけでなく、もう1人のエンジニアを含むプロジェクトメンバー全員で、クライアントヒアリングに行くことが何度かありました。生の情報をみんなで共有できることに加え、これまでオンライン中心にコミュニケーションを取っていたメンバーたちともオフラインで会えたことで、いろいろな立場の人とコミュニケーションが取れるようになりました」(佐久間氏)

 プロデューサーにはプロダクトを開発することになった経緯を、デザイナーにはこのデザインを採用した理由などを聞くことで、プロダクトの輪郭が固まり、納得感を持ちながら開発を進めることができたという。

次のページ
プロダクトは無事リリース。クライアントに価値貢献でき、社内でも表彰

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
テックカンパニーとして進化するリクルート連載記事一覧
この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

 大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社リクルート

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/20098 2024/11/26 18:09

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング