SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Developers Summit 2024 KANSAI セッションレポート(AD)

Gmail新ガイドライン発表後の「メール配信」のあり方とは? エンジニアが知っておくべきアンチパターンを解説

【B-8】Gmailの新ガイドラインでエンジニアが知っておくべき、これからの「メール配信」のあり方- “適切に届ける”ためのベストプラクティスを探る-

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新ガイドライン制定で求められる技術の変化

 新ガイドラインでは、いろいろな技術要素の導入が推奨されたが、一番大きく導入が進んだのはDMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting & Conformance)という認証技術だ。DMARCは、送信元の正当性が確認できないメールが送られてきた時に、そのメールをどう処理すべきかというポリシー(拒否/隔離/監視のみ)を、送信元ドメインの正規の管理者自身が指定できる。この技術を使えば、なりすましメールの送信を防ぐことができる。

株式会社Cubicroot 開発部 部長 東 邦之氏
株式会社Cubicroot 開発部 部長 東 邦之氏

 東氏からは、DMARCの導入率はここ数年で急速に高まり、日本企業では2022年に24%だったのが、2023年12月に60%にまで上昇し、2024年8月では83%だったと報告がなされた。米国の導入率は2024年8月で96%と、日本と大きな差は見られないが、ここで東氏は日米の差を指摘した。「日本のDMARC導入企業の4分の3は、認証に失敗したメールを単に監視するのみです。対して米国は半分以上が拒否と、かなり厳しい対応をしています」(東氏)。

2024年8月の日米企業のDMARCへの対応と、適用ポリシーのグラフ。日本は「監視のみ(none)」が多いが、米国は半分が「拒否(reject)」

2024年8月の日米企業のDMARCへの対応と、適用ポリシーのグラフ。

日本は「監視のみ(none)」が多いが、米国は半分が「拒否(reject)」

 こうした状況と最近の米国の動きから、東氏は「DMARC対応を行ったからといって安心するのは、早計かもしれません」と注意を発した。実は2024年の5月、マイクロソフトからもDMARCに関して強力なポリシーを導入すると発表があったのだ。

 「マイクロソフトが強いポリシーを求めた場合、他のメールサービスも同様の対応をする可能性があります。『監視のみ(none)』のポリシーのままだと、突然マイクロソフト宛のメールが届かなくなるかもしれません。今のうちに確実にメール認証ができる状態にしておき、DMARCポリシーも見直しておくことが重要です」と東氏は指摘した。

 中井氏も「日本とグローバルの間には、メール認証の対応に大きな差があります。確かに以前は、ポリシーとして『監視のみ(none)』が推奨されていましたが、これは最低限の準備状態に過ぎません。疑わしいメールを確実に排除するには『隔離(quarantine)』や『拒否(reject)』といった強固なポリシーを設定する必要があります」と述べた。

次のページ
エンジニアが知っておくべきメール配信のアンチパターン

関連リンク

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Developers Summit 2024 KANSAI セッションレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社構造計画研究所

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/20290 2024/10/31 12:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング