人それぞれの「はたらく楽しさ」
先ほどの疑問を呈したKoheki氏は、「はたらくを楽しく」という言葉にはピンとこないとぶっちゃけながらも、研究を辞めて同社ではたらき始めてから「顔色がよくなったね」と言われることが増えたと語る。それは「漠然とした不安からの解放がされやすくなった」からではないかと分析した。
「研究に比べて、結果だけじゃないっていうか。『こっちの方向で合ってるよ!』という過程の評価を、短いスパンでもらえるようになったのがいいのかなと。『楽しい』って単語を使うと違和感があるんですけど、はたらいて得られる良い感情やモチベーションは確実にあります」(Koheki氏)
一方の佐藤氏は、「楽しいと思える瞬間は割と多い」と語る。「自己成長や、誰かの役に立ったと感じたときは楽しい」と佐藤氏。
とはいえもともとなんでも楽しめる性格というわけではないそうだ。
「1〜2年目の頃は余裕がなくて楽しいかどうかを考える暇もなかったけれど、ちょっとずつできることが増えて、仕事を楽しむ術を考えられるようになった。自分なりの『楽しいポイント』が見えてきた気がします」(佐藤氏)
例えば、一見「何の意味があるんだろう」と思う仕事も、「この仕事を通じてこういう成長ができるはず」といった視点で考えることで、自己成長の楽しさを見出すことができるようになっていったという。
Koheki氏と佐藤氏それぞれの「はたらくを楽しく」を比べると分かる通り、「はたらく」における「楽しさ」は人それぞれだ。Koheki氏のように「楽しい」と言いきれない場合もあるが「モチベーションになっている良い感情は確実にある」。
そういった感情に至るためには、「自分なりの楽しいを見つける」こと、「はたらく中でどうやったらその楽しさを得られるかを考える」ことがポイントだとKoheki氏はまとめた。