3.画面を設定しよう
ストレッチモード
ここから先は、実際に実行ファイルを作っていきます。私はWindows環境なので、Windows向けのEXEファイルを作ります。
雰囲気をつかむために、非常にシンプルな2Dのプロジェクトを作り、エクスポートしてみましょう。そのために、まずはプロジェクト全体の設定をおこないます。
トップメニューから「プロジェクト」>「プロジェクト設定」を選びます。すると「プロジェクト設定」ダイアログが表示されます。
まずは、ウィンドウにどのようにゲームの画面を描画するかを決める「ストレッチモード」を設定しましょう。
「一般」タブ>「表示」>「ウィンドウ」の、「ストレッチ」グループの「モード」を確認します。初期状態では「disabled」になっています。

「disabled」の場合は、ウィンドウサイズを変更しても、ゲーム画面は伸縮されません。ウィンドウを小さくすると画面が欠けますし、ウィンドウを大きくするとゲーム画面の外の領域が表示されます。PC向けのゲームとしては、あまり一般的ではない形式です。
ストレッチモードには3種類の設定があります。PC用ゲームを作る場合には、用途に合わせて設定を選ぶ必要があります。ストレッチモードの設定は、開発時には反映されず、実行ファイルを作ると反映されます。
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disabled
- ウィンドウサイズを変更しても、ゲーム画面は伸縮されません。
- ゲーム向けではありません。ツールに向いています。
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Canvas Items
- ウィンドウサイズに合わせて、ゲーム画面を拡大縮小します。
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拡大縮小された領域に直接描画します。
- フォントなどは表示サイズに合わせてレンダリングします。
- 画像は表示サイズに合わせて伸縮して描画します。
- スムーズな描画向けです。
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Viewport
- ウィンドウサイズに合わせて、ゲーム画面を拡大縮小します。
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開発時に指定した描画領域に描画したあと、ウィンドウのサイズに合わせて拡大縮小します。
- フォントなどは描画領域のサイズに合わせてレンダリングします。
- 画像は描画領域に描画します。
- 最後に描画領域を拡大縮小します。
- ドット絵のゲーム向けです。
今回の作業では、プロジェクトを作ったときにデフォルトで入っているicon.svg
を利用して描画をおこないます。SVGファイルはスケーラブルな画像ファイルです。そのため、スムーズな描画がおこなえる「Canvas Items」を選びます。
ゲーム画面のサイズ
また、ゲーム画面のサイズも必要なら設定しましょう。
「一般」タブ>「表示」>「ウィンドウ」>「サイズ」の「ビューポートの幅」と「ビューポートの高さ」に、デフォルトでは「1152」「648」の数値が入っています。
この横と縦の比率は、1920x1080の画面と同じ1.77です。この「ビューポートのサイズ」は、ゲームを起動した時のデフォルトのウィンドウサイズになります。
ゲームを起動した時のウィンドウを、ビューポートと異なるサイズにしたい時は、同じパネルの「サイズ」>「ウィンドウ広さのオーバーライド」と「ウィンドウ高さのオーバーライド」に数値を設定します。
こうした画面の描画についての情報は、公式ドキュメントの「複数の解像度」にまとまっています。