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キーパーソンインタビュー

AIによってあらゆる人が創造できる時代へ──AIエディタ「Windsurf」が描く新しい開発者体験

【来日インタビュー】エンタープライズ向け新機能も多数登場、急成長する次世代エディタの開発哲学とは


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将来「開発者」の意味が変わっていく──Windsurfが展望する未来

──日本市場にはどのような可能性を感じていますか?

Moreno氏:日本の市場には非常に期待しています。X(旧Twitter)などでも、日本のユーザーがWindsurfについて活発に投稿しているのを見ますし、すでに日本国内の大手企業も顧客となっています。日本のテクノロジー企業、自動車会社、通信会社などは、多くの点で、欧米の最も重要な顧客とよく似ています。

 私たちは、日本市場に積極的に投資していくことを楽しみにしています。なぜなら、日本からは多くのイノベーションが生まれており、多くの開発者が個人としても、Windsurfに積極的に関わってくれているからです。パートナーネットワークを構築し、教育やコミュニティの醸成に投資し、大手企業との提携を開始することを楽しみにしています。

Johnson氏:日本は特に、開発者の人材不足が深刻です。私たちは、開発者の生産性を向上させることで、その課題解決を支援できると考えています。

Wang氏:Windsurfによって、開発者ではなくても自分でアプリケーションを構築できるようになりました。これにより、日本でスタートアップがさらに盛り上がるかもしれませんし、開発業務をしていなかった人々の能力を引き上げるかもしれません。人々はAIが仕事を奪うと言いますが、実際にはより多くの仕事を生み出しています。より多くの人々がこれらの仕事に就けるようにエンパワーメントしているのです。

──AIが開発に深く入り込んだ将来において、開発者の役割はどのように変化すると思いますか?

Wang氏:「開発者」という言葉の定義自体が変わると思います。今は、開発者という言葉に、コードを書くための特殊なスキルを持っていなければならないというイメージがあるでしょう。しかし実際には、求めているのは一種の「ビルダー(構築者)」です。目標を持ち、何らかの製品やビジネスプロセスなどのアイデアを持ち、それを非常に迅速に実現できるようにする人のことです。ですから、「開発者」という言葉の意味が広がっていると考えます。長期的には、開発者は、組織において問題解決能力に長け、構築できる人になるでしょう。どのような問題が存在するのかを想像することが得意で、組織の動きを本当に加速させることに長けている人です。

Moreno氏:テクノロジー業界に約15年いますが、開発のスケジュールが遅れていない組織に出会ったことは一度もありません。ロードマップ上にあるものやバックログにあるものだけでなく、今はなきアイデアを人々が創造し、開発し、現実にするのを可能にするという意味でも、非常に大きなイノベーションの機会が開かれると思います。現在の「開発者」という言葉の意味は狭すぎるかもしれません。AIによって、創造できる人が爆発的に増えると思いますし、このAIの波は、私たちが長い間見てきたものよりも、考えもつかないような形でより多くの雇用を生み出すと考えています。それは、UberやDoorDash(フードデリバリー企業)などのサービスが登場し、以前は考えもしなかったような何百万人もの雇用を生み出したのと同じです。AIが開発に与える影響は、今日存在しないアイデアを現実のものにする人々が非常に多くなるということだと思います。

──Windsurfの将来のビジョンについて教えてください。

Moreno氏:究極的には、人々が持つあらゆるアイデアを現実にするためのテクノロジーを構築したいと考えています。そのためにWindsurfの改良を続けていくつもりです。Windsurfで2〜3週間ごとに行っているWave(リリース)の目標は、イノベーションをより簡単にすることです。今のところは、人々が素晴らしいソフトウェアをより簡単に構築できるようにしていくつもりです。

Wang氏:もしWindsurfが成功して、すべてのコードを自動化してしまうとしても、開発者が行う仕事はまだたくさんありますよね。設計や要件定義、テストなど、多くのことがあります。Windsurfは、先ほど触れたWindsurf Reviewsのように、エンジニアリングライフサイクルのレビューの領域にも踏み込んでいます。Windsurfの将来としては、ソフトウェア開発者が行う仕事のより多くの部分に拡張していくでしょう。最終的には、プロセスの99%をAIで支援したいと考えています。そして、以前はWindsurf導入後の生産性向上は10~20%と言われていましたが、今は50%に近い数値が出ています。しかし、それはまだ製品を改善する余地が十分にあることを意味しています。

──最後に、日本の開発者に向けてメッセージをお願いします。

Wang氏:もっと大きな夢を見よう!

Johnson氏:ぜひWindsurfを試してみてください。

Moreno氏:日本には本当に期待しています。私たちが来日しているのは、日本市場に大きな信頼を寄せているからです。そして、開発者の皆さんと協力して、思い描くあらゆるものを実現していくことを、楽しみにしています。

──ありがとうございました! Windsurfのさらなる進化を楽しみにしています。

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この記事の著者

近藤 佑子(編集部)(コンドウ ユウコ)

株式会社翔泳社 CodeZine編集部 編集長、Developers Summit オーガナイザー。1986年岡山県生まれ。京都大学工学部建築学科、東京大学工学系研究科建築学専攻修士課程修了。フリーランスを経て2014年株式会社翔泳社に入社。ソフトウェア開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集・企画・運営に携わる。2018年、副編集長に就任。2017年より、ソフトウェア開発者向けカンファレンス「Developers...

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