テスト時間は半減、実行回数は3倍に──数字で見るTestim導入効果
Testimの導入効果についても、齊藤氏は言及した。1点目はテスト実行回数が3倍になったこと。「テスト実行回数が無制限になったことで、リリース前のテストに加えて、懸念箇所のスポットテストや毎日のリグレッションテストも継続的に実行できるようになった」と齊藤氏は語る。
2点目はテストカバレッジが向上したこと。現在はリグレッションテストの約7割をTestimでカバーしているという。
3点目はテスト時間が短縮されたこと。Testimに移行したことで、既存ツール利用時に比べテスト実行時間が半減した。
4点目は運用コストが半減したこと。「ツールを統一し、比較的操作が簡単でメンテナンスがしやすいことから、運用コストは半分になりました」(齊藤氏)

さらに齊藤氏は、Testim導入によって「予想外の恩恵も得られた」と言う。まず、ユーザー数とプロジェクト数に制限がないため、さまざまなメンバーが気軽に触れられる環境を構築でき、ユーザー基盤が広がったことだ。
続いて、テストに対する心理的ハードルが下がったこと。同社ではプログラムに明るいQAメンバーが少なく、テスト自動化に対して難しそうな印象を持っていた。だがTestimはGUIで簡単にテスト作成ができる。それを体験したことで、難しそうなイメージを払拭できた。「さらに嬉しいことに、その成功体験をきっかけに、メンバーの間でより前向きに挑戦しようという意識が広がり、JavaScriptなどのプログラミングをはじめとする技術領域への関心も高まりました」(齊藤氏)
さらに、品質意識やE2Eテスト自動化に対する社内認知の向上も、得られた効果の1つだ。その他、ブランチ機能を通じた開発フローの理解の向上や、テストデータ作成時間の削減などの副次的効果もあったという。
しかし、簡単であるがゆえに、積極的に運用する中で予想外の「事件」もあったという。現在、同社はプルリクエストベースでテストケースの運用管理をしているが、ある時、メンバーの1人が別のメンバーの作業ブランチに誤ってマージしてしまい、混乱が生じた。「運用時のこうした失敗談も共有しておきたい」と齊藤氏は語る。しかし、この失敗の嬉しい背景としては、社内の利用促進が進んだ結果として起こったことであり、さらにTestimにはこうした失敗をリカバリーする機能も備わっており安心して使える点も特徴だ、と付け加えられた。
「ローカライズ対応やGUIアクションの拡充、UI/UXの改善、AIエージェント機能の実装など、Testimに改善してほしい点もありますが、定量的な効果を出せただけではなく、社内のテスト文化に変革をもたらすことができました。これからもTestimを積極的に活用していきたい」と齊藤氏は展望を語る。
テストにおいて、スピードは非常に重要な要素になっている。品質とトレードオフにならないようにするためにも、「まずはTestimを使ってほしい」と片倉氏。そのときに重要なのは、組織単位で利用しやすいものを選ぶこと。片倉氏は「Testimは無償トライアルを利用できるので、関心のある方は試してほしい」と最後に呼びかけ、セッションを締めた。
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