Expression Blendチュートリアル
ここからが本稿の本題、Blendを利用したデザインのチュートリアルです。デザインを行うツールなので、VS 2008とはツールの使い方が異なる点を意識して読んでください。
Expression BlendのGUI
[ファイル]-[プロジェクトを開く]で、VS 2008で作ったプロジェクトを選択し、[開く]をクリックします。プロジェクトが展開された画面は以下のようになります(図5)。
Blendの画面は開発者にとって慣れるまで異質なGUIに感じるかと思います。簡単にですが、利用方法について紹介します。図6の番号と照らし合わせてみてください。
ワークスペース | 概要 |
①ツールボックス | アプリケーションのオブジェクトを作成、または管理を行う |
②インタラクションパネル | アートボード上のオブジェクトの管理とアニメーションタイムラインの作成・管理を行う |
③アートボード | XAML表示と、フォーム表示を切り替えられるフォームデザイナ |
④結果パネル | アプリケーションエラーのデバッグ情報を表示 |
⑤プロジェクト、プロパティ、リソースパネル | 現在のプロジェクト管理、各コントロールのプロパティ管理、プロジェクトで使用されているリソースの管理を行う |
各ワークスペースの詳細な情報は、「Expression Blendで始めるWPFアプリケーション(前編)」(@IT)にて詳しく解説されているので、そちらを参考にしてください。
TextBoxを少し加工する
最初はシンプルに、入力フォームであるTextBoxコントロールを少し加工します。使うのはプロパティパネルだけです。加工前と加工後を先に提示します。
どうですか? ちょっとした設定でWindowsフォームのTextBoxコントロールとだいぶ違う印象を受けたかと思います。今回設定するのは以下の2点です。
- TextBoxコントロールの配色設定
- 外観
TextBoxコントロールの配色設定
配色を変更する前にブラシについて解説します。
ブラシ
ブラシはオブジェクトの配色設定をするために使用します。基本的なブラシは次のようになっています。
- 実線色ブラシ(単色のブラシ)
- グラデーション ブラシ
- タイル ブラシ
- ブラシ無し
なお、グラデーションスライダ上に表示されるグラデーションを設定するためのアイコンを[境界]と呼びます(図9)。
それではTextBoxコントロールの配色を行います。アートボードでTextBoxコントロールにフォーカスをあて、プロパティパネルを展開します。[ブラシ]カテゴリで、Background(背景色)・BorderBrush(線色)・Foreground(テキスト色)・OpacityMask(透過マスク色)を設定できます。今回はBackground、Foregroundを以下のように設定します。
Backgroundはグラデーション ブラシを利用します。グラデーションの設定は以下の通りです。
RGB | 左の境界 | 右の境界 |
R | 74 | 161 |
G | 91 | 237 |
B | 139 | 239 |
ForegroundはRGBすべて255に設定(白色)します。
外観
続いて、TextBoxの外観の設定を行います。Opacity設定などもできますが、今回はビットマップ効果のみの設定です。
ビットマップ効果
ビットマップ効果は、対象のオブジェクトにピクセル処理を実行するために使用します。ビットマップ効果は次のようになっています。
ぼかし | 焦点がずれているように見える効果 |
光彩(外側) | オブジェクトの外側に表示される光のエフェクト効果 |
影付き | オブジェクトの背後に影を表示 |
面取り | 表面から浮き出すような面を付ける効果 |
浮き出し | 凹凸があるような視覚効果を生む効果 |
サンプルで適用するのは[光彩(外側)]です。設定は以下のようになっています。
BitmapEffect | 光彩(外側) |
GlowColor | RGB(0、184、255) |
GlowSize | 15 |
Noise | 5 |
Opacity | 50 |
以上の設定でTextBoxコントロールのデザインは完成です。完成したTextBoxコントロールは図8のようになります。