はじめに
春になり、新しく入学/入社する新入生や、新社会人が増えてきたことと思います。本稿では主にフレッシュマンを対象にJavaの統合開発環境であるEclipseの使い方を説明します。従来のEclipse紹介記事などではEclipseのプラグインに関して注視しがちですが、本稿ではEclipse本体に注力し、あまり有効活用されていない機能について説明します。
対象読者
今回の記事は本当に簡単なことについて書いてあります。よって、事前知識は不要で、対象とする読者はJavaプログラムを始めたばかりの人を想定しています。また、実際に現場で日々プログラムを書いている方も、「こんな方法があったのか」と新しい発見があるかもしれません。
状況が想定できませんが、事情により開発でマウスが使えない方にも有益な情報になると思います。
必要な環境
- Eclipse SDK 3.1.2
作成するサンプルプログラム
作成するプログラムは、最も単純なプログラムの「Hello World」です。本稿では、プログラム自体の説明ではなく、いかに簡単に「Hello World」プログラムを作るかについて掘り下げていきたいと思います。
マウスを使わないコーディング(前半)
プログラムを書くときに、マウスを使うのはなるべく避けた方が良いと感じています。これは単純にマウスで要素を選択するのが面倒なこともありますが、それ以上にプログラムはリズムが大事だと考えているからです。マウスのようなポインティングデバイスを利用すると、ポイントを合わせることに意識がいって、思考が中断され、プログラムを記述するリズムが崩れてしまいます。
マウスレスなプログラミングを突き詰めていくと、テンポ良くプログラムを書いていくことができます。まずは、Eclipseのインストール後から「Hello World」作成までを、マウスを使わずに行ってみたいと思います。
プロジェクトを作る
Javaクラスを作る前に、まずはJavaプロジェクトを作りましょう。
- [Alt]+[Shift]+Nでメニューを開き、Rでプロジェクトを選択します。
- 作成するプロジェクトの一覧が表示されるので、[Javaプロジェクト]を選んで[新規Javaプロジェクト]ウィザードを開きます。
- ウィザードが開いたら、既にプロジェクト名入力テキストボックスにフォーカスが当たっているので「helloworld」をプロジェクト名として入力してください。このとき、ソースとクラスファイルの出力先を分けるのが一般的です。
- [Alt]+C で[別のソースおよび出力フォルダを作成]を選択して終了します。
- [新規作成]ショートカットメニュー表示([Alt]+[Shift]+N)
- プロジェクトを選択(R)
- Javaプロジェクトを選択(カーソルキー)
- プロジェクト名に「helloworld」を入力
- [別のソースおよび出力フォルダを作成]をチェック([Alt]+C)
また、自作プラグインのファイルなどの一般的でないものを作る場合は、[Alt]+[Shift]+Nではなく[Ctrl]+Nを押し、新規作成ウィザードを開いて選択しましょう。
HelloWorldクラスを作る
プロジェクトができたのでHelloWorld
クラスを作りましょう。まずは上記の通り、何かを作りたくなったら[Alt]+[Shift]+Nです。メニューからクラスを選んでください。
[新規Javaクラス]ウィザードが開いたら、クラス名テキストボックスにフォーカスが当たっているので、「HelloWorld」と入力しましょう。この時、デフォルトパッケージは推奨されないと言われるので、パッケージ名も入力しておきます(ここでは「hello」)。ここでもニーモニックを活用して[Alt]+Kでパッケージ入力に移動します。同様に、メインメソッド、コメントも自動生成するようにしましょう。それぞれ、ニーモニック[Alt]+G、[Alt]+Nで設定できます(あらかじめオンになっている場合は、この手順は不要です)。
- 新規作成ショートメニュー表示([Alt]+[Shift]+N)
- クラスを選択(カーソルキー)
- クラス名「HelloWorld」を入力
- パッケージ名に移動([Alt]+K)
- パッケージ名「hello」を入力
- メインメソッドの生成([Alt]+G)
- コメントの生成([Alt]+N)