はじめに
Visual Studio Team SystemのメジャーバージョンアップとなるVisual Studio Team System 2008がリリースされ、以前の機能を踏襲しながらも、さまざまな部分において安定性の向上や機能の追加・向上が図られました。今回はその中でもSQL Serverデータベースのデータベーススキーマの開発、テスト、管理などを行うVisual Studio Team System 2008 Database Edition(以下、VSTS-DBと表記します)を利用したデータベース開発について紹介します。第2回となる今回は、ストアドプロシージャやT-SQLの単体テストを行うための機能に注目していきたいと思います。なお、VSTS-DBの概要については第1回の記事にて紹介していますので、そちらをご覧ください。
また、2008/12/17にリリースされたVisual Studio Team System 2008 Database Edition GDRについては本稿の対象外としていますのでご注意ください。
対象読者
- .NET Frameworkを利用した開発プロジェクトに携わっている人
- Visual Studio Team System 2008に興味がある人
必要な環境と準備
本稿で解説している内容を実際に試す場合には、以下の環境が必要となります。
- Visual Studio Team System 2008 Database Edition
または、Visual Studio Team System 2008 Team Suite - SQL Server 2005 Express Edition
- Northwindサンプルデータベース
VSTS-DBの製品メディアがない場合には、評価版を利用しても構いません。VSTS-DBの評価版は用意されていませんので、代わりに「Visual Studio Team System 2008 Team Suite(90日間評価版)」をダウンロードしてインストールを行ってください。
SQL Server 2005 Express EditionはVSTS-DBやTeam Suiteのインストール時に同時にインストールすることができます。また、Express Edition以外のどのエディションでも特に問題はありません。
Northwindサンプルデータベースは、SQL Server 2000に付属のサンプルですが、「Northwind and pubs Sample Databases for SQL Server 2000」のページからダウンロードすることができます。ダウンロード終了後、インストーラーを起動して、指示に従ってインストールを行ってください。デフォルト設定のままインストールを行うと「C:\SQL Server 2000 Sample Databases」フォルダにmdfファイルやSQLスクリプトが格納されています。コマンドプロンプトを開いて以下のコマンドを実行してください。
sqlcmd -S localhost\sqlexpress -I “C:\SQL Server 2000 Sample Database\instnwnd.sql”
以上で、準備は終了です。
なお、本稿で解説している内容およびスクリーンショットは、Visual Studio 2008 Team Suite+Service Pack 1を利用している環境に基づいています。そのため、VSTS-DBを利用している場合、Service Pack 1が当たっていない場合の2つの場合において、スクリーンショットの一部に差異がある可能性があります。本稿で解説している内容を実践する場合には、できる限りService Pack 1を適用した状態で行うようにしてください。
データベースプロジェクトの準備
本題に移る前にそのための準備をしましょう。必要な環境と準備のところで用意しているNorthwindデータベースからスキーマ情報をインポートして新しいデータベースプロジェクトを作成します。1から作成する場合には、前回の記事の「スキーマ開発を始めよう」の部分にその方法がありますのでそちらをご覧ください。
付属のサンプルにはここまでの作業を実施したものを付けてあります。ファイルをダウンロードして解凍したフォルダの中に「CodeZine-VSTS-DB02」というフォルダがありますので、その中の「CodeZine-VSTS-DB02.sln」ファイルをVisual Studioで開けば準備完了です。
また、以降では実際に作業を実施していく手順も説明しています。作業そのものは行わないけど結果は確認したいという場合には、付属のサンプルを解凍してできたフォルダ内に「CodeZine-VSTS-DB02-Finish」というフォルダがあります。この中のソリューションファイルを開いていただければ、作業実施後の結果を確認していただくことも可能です。