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クロスブラウザなレイアウトデザインテクニック

ページレイアウトに使えるCSSプロパティ

クロスブラウザなレイアウトデザインテクニック 第6回


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ポジショニングで細かくレイアウト(position、top、right、bottom、leftプロパティ)

 floatプロパティに比べ、さらに細かく配置方法や位置などを指定をすることができるのが、positionプロパティおよびtop、right、bottom、leftの各プロパティを利用する方法です。

positionプロパティ

 positionプロパティは、ボックスの配置方法を指定するプロパティです。値には、通常配置の「static」、相対配置の「relative」、絶対配置の「absolute」、固定配置の「fixed」を指定することができます。実際の配置位置については、次項で説明するtop、right、bottom、leftの各プロパティで指定します。

 図5のように、positionプロパティで「relative」を指定した場合、要素本来の位置が基準となって配置されるのに対し、「absolute」や「fixed」では親ボックスの位置が基準となる、という点に注意しましょう。「fixed」では、さらにスクロールに対して固定的に配置されます。

図5:positionプロパティによる配置方法と基準位置
図5:positionプロパティによる配置方法と基準位置

top、right、bottom、leftプロパティ

 ボックスの実際の配置位置については、top、right、bottom、leftの各プロパティで指定します。基準となるボックスから、指定した要素のボックスのマージンの外側までの距離を指定します。

 各プロパティは値として、「実数値+単位」や「%値」、初期値の「auto」を指定することができます。

top、right、bottom、leftプロパティの値と説明
説明
実数値+単位 相対配置のときはその要素本来の位置からの距離、絶対配置や固定配置のときは包含ブロックの四辺からの距離を基準として指定する。
%値 相対配置のときはその要素自体の幅または高さを、絶対配置や固定配置のときは包含ブロックの幅または高さを基準とする。topとbottomは高さに対する割合、leftとrightは幅に対する割合で指定する。基準となるボックスの高さが明確に指定されていない場合は、「auto」を指定した場合と同じ結果になる。
auto 初期値。要素やボックスの種類などに応じて自動的に調整される。

相対配置の例

 では、「相対配置」の実際のサンプルをみていきましょう。

[リスト6]XHTMLソース/03.html
<h1>position: relative</h1>
<h2>相対配置</h2>
<p>「position:relative」は、要素本来の位置が基準になります。</p>

 h2に「position: relative」および「top: -60px」を指定します。この場合、h2要素は本来の位置から上に60px移動して表示されます。後に続くp要素のボックスの位置は、h2要素のボックスが本来の位置から移動していないものとして計算されます。

[リスト7]CSSソース:相対配置の例/03.css
h1 {
  color: blue;
  font-size: 50px;
}
h2 {
  position: relative;  /* 相対配置 */
  top: -60px;
  background-color: black;
  color: white;
}
図6:相対配置の例(左:適用前、右:適用後)
図6:相対配置の例(左:適用前、右:適用後)

 「position:relative」の適用前と適用後を重ねて移動距離を示したものが、次の図7になります。

図7:「position:relative」の適用前と適用後
図7:「position:relative」の適用前と適用後

 ここでは、topプロパティを使用していますが、他のプロパティの位置指定については、次の表を参考にしてください。

top、right、bottom、leftプロパティの説明
プロパティ 説明
top 基準となるボックスの上から指定したボックスの上までの距離を指定
right 基準となるボックスの右から指定したボックスの右までの距離を指定
bottom 基準となるボックスの下から指定したボックスの下までの距離を指定
left 基準となるボックスの左から指定したボックスの左までの距離を指定

 このサンプルでは、ブラウザのデフォルトスタイルを特に考慮していませんが、実際には、ブラウザによってデフォルトスタイルシートが異なる場合もあります。必要に応じて、margin、padding、width、height、line-heightなどの各プロパティを指定すると良いでしょう。

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まとめ

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 宮本麻矢(ミヤモト マヤ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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