サンプルの実行
それでは、先ほど生成したひな形アプリケーションを実行しましょう。[ナビゲーター]ペインのgadget.xmlを右クリックし、[OSDE]-[Run this application locally]を選択して、[Run application]ダイアログを表示させます。
このダイアログでは、OpenSocialアプリケーションの所有者(OWNER)およびビューアー(VIEWER)を、登録されているユーザーから選択します。また、どのビューで表示するかも選択することができます。
このダイアログでOWNERとVIEWERを適宜切り替えることで、異なるユーザーでのテストも簡単に行うことができます。
今回はOWNERおよびVIEWERを両方john.doeとし、Canvasビューで実行します。[Use an external Web browser]をチェックすることで、外部のWebブラウザから実行することもできます。
サンプルを実行すると、アプリケーションがCanvasビューで表示されます。ひな形としてソーシャルデータの取得、アクティビティの作成、アプリケーションデータの共有機能が実装されていることを確認してください。
例えば[Fetch people and friends]ボタンをクリックすると、john.doeの友人であるgeorge.doeとjane.doeが表示されます。
また、[Post activity]ボタンをクリックすると、アクティビティが登録され、下部の[アクティビティ]タブで登録されたアクティビティを確認することができます。
同様に[Share data]ボタンをクリックすると、アプリケーションデータが登録されます。やはり下部の[AppData]タブで登録されたアプリケーションデータを確認できます。
このように、OSDEを使うことで、OpenSocialアプリケーションで使用するさまざまなソーシャルデータを表示、編集することができます。
通常のSNS上でOpenSocialアプリケーションを開発する場合には、こうしたデータを自由に閲覧することはできず、開発者が頭の中でOpenSocialコンテナ上のソーシャルデータの状態を推測しながらコーディングを行う必要があります。そう考えると、OSDEの強力さがあらためて理解できるでしょう。
本連載で作成してきたサンプルは、基本的にOSDE上でもそのまま動作させることができます。本記事のサンプルアーカイブには、本連載で作成したサンプルが同梱されていますので、OSDE上で実行し、ソーシャルデータがどのように変化するかなどを確認してみてください。
ただし、OSDE同梱のApache Shindigはmixiアプリ専用の機能には対応していないため、そうしたサンプルはmixiアプリ専用機能を外して実行させる必要があります。
本連載の中では、第4回の自分の情報の取得サンプルの中で、mixiアプリ専用機能である血液型の取得コードが該当します。そのままではOSDEで実行しても正しく表示が行われませんが、mixiアプリ専用機能をコメントアウトすることで、正しく実行が行われます。
サンプルアーカイブ内のファイルはmixiアプリ専用機能をコメントアウト済みですので、そのまま動作させることができます。
まとめ
OSDEを使用することで、OpenSocialアプリケーションの開発の効率を大きく向上させることができます。いったんOSDEでの開発を体験すると、それまでのSNSでのアプリケーション開発がいかに不自由なものだったかを痛感させられます。
残念ながらOSDEにはJavaScriptのデバッグ機能などは搭載されていませんが、FirefoxのFirebugプラグインなどの、通常のJavaScriptデバッグ用のツールなどを併用しながら、デバッグを行っていきましょう。
ぜひOSDEを使った快適なOpenSocialアプリケーション開発ライフをお楽しみください。
本連載が、ソーシャルアプリケーションの開発の一助になれば幸いです。