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運営スタッフが振り返る「PyCon JP 2011」の模様と今後の展望

「PyCon JP 2011」運営レポート

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2011/09/15 14:00

目次

運営に関して

 再び副座長の清水川です。PyCon JP 2011の運営に関しての雑感と、イベントを今後よりよくしていくための改善点、および良かったことについていくつか紹介します。

運営に関しての雑感

 今回のイベント運営で当初目指したものは、担当チームごとに独立して運営し、必要に応じて決定事項や議事録を全体に共有する、分割統治のスタイルでした。これは前回のPyCon mini JPの反省点として、情報量が多くなり全員がすべてを把握することが難しくなったり、運営人数の母数が多くなりすぎると、どうしても一部の人の声が強くなってしまうためです。しかし、「こうしましょう」というだけでは無理があり、今回この部分の組織作りについては流れに任せました。もしこれを徹底するのであれば「運営のための勉強会」を初期のうちに行って進め方を共有する必要があったと思います。

 今回の実際の状況としては、前回のmini以上に運営チームの参加母数が多くなったこともあり、やはり終盤では情報が錯綜したりToDo漏れなどが発生してしまいました。それでも活動的なスタッフたちのおかげでそういった点をフォローしあい、座長・副座長だけが頑張る、といった形にならずに破綻せずに進められたと思います。

組織運営の今後の改善点

 今回のイベント運営ではいくつかの運営の課題も出てきました。このイベント運営に限らない組織運営のアンチパターンだと思いますが、次回に向けて特に改善したいアンチパターンをいくつか紹介します。

譲り合いの精神

 何かをするときに譲り合ってしまって進行が止まることが多かった。「ニュース記事を公開するのは○○さんだから……」など。自分がやるしかない!という思考に切り替わって欲しいところ。

多すぎるツール

 Plone, Google Docs, Google Sites(todoのみ利用), Google Groups, Skypeと操作するべきツールが多くなりすぎてしまった。またpycon.jpドメインでのAppsも利用したためアカウント数が多くなりすぎた。結果として、どのアカウントで何ができるのかが分からなくなり、操作する人が限定されてしまった。またSkypeとMLでコミュニケーションが分断してしまった。

早すぎる返信

 私が副座長としてメールへの返信に燃えていた頃、ちょうどメールを見ていたタイミングで届いた複数のメールに連続して素早く詳細に返信してしまったことがあり、他の人が反応する余地がなくなってしまったことがありました。コミュニティー活性化のためには、決定権を持っていそうな人はコメントしたい場合でも1呼吸置いてからが良いのではないかと考えさせられました。

 ここで上げた例は「○○を自分がやろう!」という行動を阻害してしまいます。道具を厳選したりルールを変えるだけで改善できることもあれば、考え方を変えてもらうための何か(進め方勉強会?)が必要な場合もあると思います。

組織運営として今後も継続したい良かったこと、やってみたいこと

  • 提案が行われて特にコントロールしなくてもうまくいったイベント要素がありました。guidebook app, Party, Office Hour(with Guido), Twitterの当日実況中継。こういう活動を突然始めるパワーとノリを共有したいですね。次回の運営チームは多少失敗してもいいのでどんどんチャレンジして欲しいと思います。
  • プログラム担当のOffce Hour、広報担当の開催前記事、会場担当のライブ配信など独自の要素が全体の承認のみで(指示なく)自動的に進んでいきました。
  • 次回は1年間の準備期間を設けて、時期ごとに運営のメンバー数を変化させていく方式をとってみたいと考えています。方針が決まるまでは多くの人が集まって意見交換をすれば良いと思いますが、それ以降はある程度人数を絞って定期的にミーティングを行い、本番1、2か月前から仕上げに向けて人数を増やす、といった方針ではどうか、と考えているところです。
  • 初期段階で組織運営の進め方についての勉強会を行いたいと考えています。コミュニティーがある程度の規模になってくると、発言したい・提案したいことがあるけれどどうしていいのか分からない、といったメンバーが増えてきます。こういったことが起こりにくくするためにも、運営のための考え方などを合わせておく必要があります。ゴールの共有、ビジョンの共有、各人に何を期待するか、なにをしてもいいのかといったことを具体的に共有することで、より活発な活動ができる様になるのではないかと思っています。

 次回開催に向けてアンチパターンを改善し、より良いイベントにしたいと思います。

座長締めの言葉

 再び、座長の寺田です。レポートの締めとして、総括と次回について書きたいと思います。

今回の総括

 すでにご報告したとおり、予定の人数を超えた方々にお越しいただき、PyCon JP 2011が大盛況となり、多くの皆さんにもご満足いただけたのではないかと思っております。スタッフ組織としてはまだまだ駆け出しの我々ですが、講演者をはじめ来場者の皆さんにもご協力をいただきこのような会ができたものと思います。また、多くの会社様からのスポンサーシップのお申し出にも感謝致します。

 最後に、地震直後で会場探しで困っていたところ、快く会場提供をいただき、当日のスタッフまでしていただいた、産業技術大学院大学小山教授および土屋先生、本当にありがとうございました。

次回に向けて

 年に1回、同じようなイベントを続けていきたいと思っております。

 次回の計画はこれからとなりますが、オーガナイザー(スタッフ)が集まるメーリングリストがあります。そこで議論を進めていきますので、興味のある方はぜひとも登録をしていただき、次回のスタッフ・協力者になっていただければと思います。

 次回の展望ですが、規模を大きくし、来場人数を増やし、さらに2日間開催などを計画したいと考えております。リーダとしての座長を私が引き受けるか、他の人が立候補いただけるかは、このあと行われる反省会などを通じて決めていければ良いと思います。

 来年もまたPyCon JPでお会いしましょう!



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連載:「PyCon JP 2011」レポート

著者プロフィール

  • 寺田 学(テラダ マナブ)

    一般社団法人PyCon JP 代表理事。Plone Foundation Ambassador。株式会社CMSコミュニケーションズ 代表。NVDA日本語チーム 監査。 Zope/Ploneの専門家として,大学系・公共系などのCMSコンサルティングや構築を手がけている。PyCon JPには、初回から...

  • 鈴木 たかのり(スズキ タカノリ)

    PyCon JP 2016座長。 株式会社ビープラウド所属 部内のサイトを作るためにZope/Ploneと出会い、その後必要にかられてPythonを使い始める。PyCon JPでは2011年1月のPyCon mini JPからスタッフとして活動し、2014年から座長。 他の主な活動は 一般社団法...

  • 遠藤 隆尚(エンドウ タカナオ)

    Vettl Inc. CTO 地ビール・サンクトガーレン湘南ゴールドとサーフィンのために日々働く。 Google App Engineなどで全般的にPythonを使うかたわら、Erlang製のWebSocket Server Shirasu.wsを開発している。 Twitter: @MiCHi...

  • 池 徹(イケ トオル)

    雑食ソフトウェアエンジニア 教育研修コンサルタント、システムインテグレータ、外資系サーチエンジンを経て、オーストラリアの企業から忍者の称号を授るが抜け忍となる。現在は職を探すべく暗躍中。2011年の初夏にEuroPythonに行って以来、PyPyにのめり込み、ついには日本コミュニティ pypy-j...

  • 保坂 翔馬(ホサカ ショウマ)

    どこにでもいる普通のプログラマ。 主にPython界隈で活動中で、勉強会に出没したり、PyCon JP運営チームに参加するなど。 最近はPyPyに興味を持って開発・翻訳などをしたりしている。 パーフェクトPythonの著者の一人 PyCon APAC...

  • 畠 弥峰(ハタ ヒロタカ)

    PyCon JP 2016 チュートリアル担当。 Webアプリケーションを中心に10年近くPythonで仕事をしている。PyCon JPには2011年からスタッフとして活動。 Twitter: @flag_boy

  • 杵渕 朋彦(キネブチ トモヒコ)

    一介のプログラマ。 エンタープライズなところで仕事をしていて普段はJavaを使っている。Pythonは個人の活動で使用している。 主に言語そのものや理論に興味があり、CPython 3.2ソースコードリーディングやスタート代数を開いている。 Twitter: @cocoatomo

  • 清水川 貴之(シミズカワ タカユキ)

    ドキュメンテーションツール Sphinx のメンテナ。 Sphinx-users.jp 運営。 一般社団法人PyConJP理事。 株式会社ビープラウド所属。 著書/訳書:「Pythonプロフェッショナルプログラミング第2版」「Sphinxをはじめよう」「Pythonプロフェッショナルプログラミング」...

  • 森本 哲也(モリモト テツヤ)

    一介のプログラマ。 Anacondaのソースを読み始めたきっかけから Python という言語の特徴やプログラミングに興味をもつようになる。 プログラマとして生きていくにはどうすれば良いかを日々考えている。 オープンソースやそのコミュニティが大好き。 Twitter: @t2y ブログ: for...

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