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【デブサミ2013】15-A-3 レポート
「モバイル HTML5 による世界への挑戦」

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2013/03/08 14:00

 2012年夏、FacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグの脱HTML5宣言により、海外ではネイティブアプリの方向に進んでいる。それとは対照的に日本はHTML5へのシフトにきれいに成功。その結果、世界的に見てもモバイルHTML5の最先端を走っている。今後モバイルHTML5はどう進化していくのか。そして日本がどのような提案を世界に発信していくことができるのか、DeNA グローバルプラットフォームシステム統括部 ソフトウェアソリューション部の紀平拓男氏が解説した。

目次
株式会社ディー・エヌ・エー グローバルプラットフォームシステム統括部
ソフトウェアソリューション部 紀平拓男氏
株式会社ディー・エヌ・エー グローバルプラットフォームシステム統括部 ソフトウェアソリューション部 紀平拓男氏

PCの世界でのWebの歴史はモバイルでも繰り返す

 「モバイルHTML5の最先端を走っているのは日本。この分野はこれまでのように先行者に倣うことなく、自分たちでモバイルWebアプリの未来を作っていけるんだ」

 DeNAの紀平拓男氏は、HTML5によるFlash Player「ExGame」の開発者。現在はHTML5の専門家として国内はもちろん、海外の最先端プレーヤーと情報交換するなど、積極的に活動している。

 紀平氏はモバイルWebの話に先立ち、パソコン世界においてWebがどう進化してきたのかについて話を始めた。

 「最初のターニングポイントは、Windows 95の発売だった。このときに初めてOSの中にインターネットへの接続機能が標準装備されたからだ」と紀平氏。この当時は「コンピュータを使う=アプリを使う」という時代。インターネットも主にアプリを手に入れるために使われていた。ただしインターネット接続はISDN(64kbps)というナローバンドだった。

 「当然、開発環境もアプリ一色。インターネットを使うサービスはごく一部しかなかった」と紀平氏は振り返る。

 「そんなアプリ一色の時代から、徐々に変わってきたのが2001年」だと紀平氏は続ける。Yahoo! BBなどのADSLが登場したことで、インターネット環境は激変。ブロードバンド元年とも呼ばれている。ブラウザの開発も盛んに行われ、2001年にはInternet Explorer 6(IE6)、2002年にはOpera、03年にはSafari、04年にはFirefoxが登場。一般家庭でもインターネットを活用する機運が高まってきた。

 「私がJavaScriptに目覚めたのも2001年である」と紀平氏。

 開発環境もアプリ一色から脱し、Web系の開発環境が増加、充実してきたという。「当時、注目を集めていたのはJava系の新技術。PHPのメジャーバージョンであるPHP4がリリースされたのもこの頃(2000年)だ」と紀平氏は語る。時を同じくして、AmazonやブログなどのWebサービスが台頭してきた。またインターネットへの常時接続が主流となったことで、Webサービスもページ遷移(Request-response)型が登場した。

 「2004年に大きな変化が訪れた。それはリッチ・インターネット・アプリケーションの登場である」と紀平氏。AJAXアプリの台頭により、GmailやGoogle Maps、YouTubeなどネイティブアプリと比べても遜色のないUIを持つWebサービスが登場したのだ。これらのWebサービスのすばらしい点はそれだけではない。標準準拠でクロスブラウザを実現していたことだ。

図1 AJAXアプリの台頭により、ネイティブアプリと比べても
遜色のないUIを持つWebサービスが登場した
図1 AJAXアプリの台頭により、ネイティブアプリと比べても遜色のないUIを持つWebサービスが登場した

 この頃にはインターネット回線はさらに品質が向上し、FTTH100Mbpsなどのサービスも登場。さらにはFacebookやTwitterなど新たなリッチWebサービス企業も登場する。

 そんな状況下で、高い注目を集めるようになったのがJavaScriptである。

 それまでJavaScriptというと、ホームページの装飾的なものを作成するために使われるのが一般的だった。しかしGoogleがJavaScriptはもっとすばらしいアプリケーションを書ける言語だと証明したことで、prototypes.jsやGWT、jQueryなど、さまざまなJavaScriptのフレームワークが登場した。

 そして次のターニングポイントとなったのが、2008年のiPhone発売(米国では2007年発売だが)をきっかけとしたスマートフォンの登場である。そして2008年以降、スマートフォンの時代となっている。

 「長々とWebの歴史を振り返ったのにはわけがある。それはモバイルWebにおいてもこれと同じ歴史を繰り返すと思ったからだ」と紀平氏は説明し、本論であるモバイルWebの現在へと話は移った。


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