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災害によるITインフラへの影響と情報発信の在り方

災害コミュニケーション ITだからできるコト(7)

災害によるITインフラへの影響と情報発信の在り方(7)

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空間情報の表現方法

 つぎに重要になるのが撮影する高さです。高度の上下によって撮影できる範囲は異なってきます。遠くを見通して、より多くの空間情報を共有したい場合には、高さを保つ必要があるのです。では具体的に全天球撮影では、どのように行われるべきか、RICOH THETAを使って検証を試みてみました。

 最初に手軽な方法が「全天球カメラの遠投」です(図4)。ご覧いただいた通りブレていますし、撮影タイミングもズレますので、まったくもってオススメできないものとなりました。

図4.全天球カメラの遠投による撮影結果
図4.全天球カメラの遠投による撮影結果

 次に検証を行ったのが「全天球カメラを釣竿に吊るす」です(図5)。こちらは長さ3mの収納式釣竿を使って撮影を行いました。ご覧のように、ブレもなく安定して撮影できるため効果的と判断できました。

図5.全天球カメラを釣竿に吊るした撮影結果
図5.全天球カメラを釣竿に吊るした撮影結果

 撮影風景は図6のように涙ぐましい努力の結晶ではありますが、自重が大きな全天球カメラでは、釣竿レベルでは厳しい状況も分かってきました。また、太く大きな釣竿を使う場合は、収納サイズも大きくなってしまうため、可搬性が損なわれるという新たな課題も見えてきました。

図6.全天球カメラを釣竿に吊るした撮影風景
図6.全天球カメラを釣竿に吊るした撮影風景

 より大きな自重の全天球カメラにも耐え、さらに高度を上げて撮影すべく試用したのが「磯網」です(図7)。

 磯釣りに用いられる網で、長さも6mまで伸ばせ太さも十分で収納サイズも小さく抑えることができました。

 本文を途中からご覧いただいた方の中には、「これのどこが研究なんだ…」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、こういった地道な努力の一つ1つが研究成果へと繋がっていきます。…たぶん…(笑)。

図7.全天球カメラを磯網に吊るす準備風景
図7.全天球カメラを磯網に吊るす準備風景

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高度による空間表現の変化

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この記事の著者

松本 直人(マツモト ナオト)

1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任)研究テーマはネットワーク仮想化など。3~5年先に必要とされる技術研究に取り組み、世の中に情報共有することを活動基本としている。著書: 『モノのインターネットのコトハジメ』,『角川インターネット講座 ~ビッグデータを開拓せよ~』など多数。情報処理学会 インターネットと運用技術研究会 幹事

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/7601 2014/02/03 14:00

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