Jasmineでのテストの書き方と実行
Jasmineを実行する準備ができましたので、Jasmineの基本的な書き方を説明します。
基本的な書き方
Jasmineでテストを書いてみましょう。リスト05はJasmineでのテストの基本的な書き方です。まずは、describeメソッドを記述し、その説明を言葉で記述します。describeは、日本語で言うと「描写する」「言葉で説明する」という意味です。
describeメソッドの第2引数である無名関数の中で実際のテストを記述します。テストはitメソッドごとに記述し、引数の無名関数の中で、expectメソッド(アサーションメソッド)を実行します。
var addition = function(number1, number2){ return number1 + number2; } describe("足し算の確認", function() { it("足し算が正しい", function() { expect(addition(1, 2)).toEqual(3); }); });
テストを実行する前処理、後処理を記述することもできます。beforeEachメソッドはテストの前処理、afterEachメソッドはテストの後処理を行います。それぞれ、itメソッドごとに実行されます。例えば、テストのためのテストデータをDBに入れるなどの処理を行う用途があります。
describe("足し算の確認", function() { beforeEach(function() { // テスト前処理 }); afterEach(function() { // テスト後処理 }); it("足し算が正しい", function() { expect(addition(1, 2)).toEqual(3); }); });
その他にも、Ajaxのようなリクエストをサーバサイドの機能を用意しなくてもテストができるように置き換えるといった、スパイやモック機能も用意されています。
テストの実行
テストを実行してみましょう。jasmine-nodeでは、テストを記述したファイルのファイル名は、「~spec.js」とする必要があります。CoffeeScriptで記述した場合は、「~spec.coffee」です。
リスト05のファイルを「spec」というディレクトリの中に、「addition.spec.js」という名前で保存します。次に、そのファイルをコマンドラインから実行します。テストの実行結果が表示されます。
jasmine-node spec\addition.spec.js
アサーションメソッド
Jasmineには、処理結果などの値を評価するためのアサーションメソッドが用意されています。ここでは、代表的なものを紹介します。
同じである(toEqual、toBe)
同じであることを評価するメソッドは、toEqualとtoBeメソッドがあります。toEqualはif文の「==」、toBeは「===」と同様の評価をします。toEqualは値が同じであることの評価、toBeは型も同じであることまで評価します。
var addition = function(number1, number2){ return number1 + number2; } describe('同じである(toEqual、toBe)', function() { it("同じであることの確認:toEqual", function() { expect(addition(1, 2)).toEqual(3); expect(addition(1, 2)).not.toEqual(4); }); it("同じであることの確認:toBe", function() { var testToBe1 = "test"; var testToBe2 = testToBe1; var testToBe3 = "1"; expect(testToBe2).toBe(testToBe1); expect(testToBe3).not.toBe(1); }); });
正規表現で評価(toMatch)
正規表現にマッチングしているかどうかを評価することができます。JavaScriptのmatchメソッドと同様に記述できます。
describe('アサーションメソッド', function() { it("toMatch", function() { expect("13:45").toMatch(/^[0-9][0-9]:[0-9][0-9]$/); expect("2014/02/25").not.toMatch(/^[0-9][0-9]:[0-9][0-9]$/); }); });
その他のアサーションメソッド
上記で紹介した内容も含め、アサーションメソッドの一覧は以下のとおりです。
メソッド | 説明 |
---|---|
expect(x).toEqual(y) | 値が同じであること(==と同様)を評価 |
expect(x).toBe(y) | 同じオブジェクトかどうか(===と同様)を評価 |
expect(x).toMatch(pattern) | xがpatternで指定した正規表現にマッチしているかを評価 |
expect(x).toBeDefined() | xに値が格納されているかを評価 |
expect(x).toBeUndefined() | xに値が格納されていないかを評価 |
expect(x).toBeNull() | xがnullかどうかを評価 |
expect(x).toBeTruthy() | xがtrueかどうかを評価 |
expect(x).toBeFalsy() | xがfalseかどうかを評価 |
expect(x).toContain(y) | 配列や文字列xに、yが含まれているかどうかを評価 |
expect(x).toBeLessThan(y) | xがよりyが小さいかどうかを評価 |
expect(x).toBeGreaterThan(y) | xがよりyが大きいかどうかを評価 |
expect(function(){fn();}).toThrow(e); | function内でexceptionが発生するかどうかを評価 |