Atomで日本語を使いこなす
これまでは日本語に対応するための設定について紹介しましたが、本節では、特に設定は必要ないものの、知ってると便利な小ネタを紹介します。
Shift JISファイルの開き方
Shift JISのファイルを開くと、次の図のように文字化けしてしまいます。
これに対処するには、右下の[UTF-8]をクリックし、[Auto Detect]が選択されているはずなので、そこでEnterします。
ショートカット「Ctrl+Shift+U」でも、一発で上記の画面になります。
無事Shift JISとして解釈され、文字化けせずにファイルを開くことができます。自動で判別してくれないのは少し手間ではありますが、Sublime TextがShift JISの表示すら不可能(別のエディタでUTF-8に変換しないと無理)なのを考えると、大変ありがたく思えます。
検索置換のショートカット
編集作業には、検索置換の作業も多くあるのですが、こういったものはショートカットキーでバシバシやりたいものです。もらった原稿の字下げをトルツメしたり、半角カッコを全角にしたり……。Atomの検索置換はシンプルな印象。
[Settings]→[Keybindings]を見ていたら、検索置換のショートカットも多くあることがわかったので、主要なものを表としてまとめてみました。
ショートカット | 説明 |
---|---|
Ctrl+F | 検索パネルを開く |
Esc | 検索パネルを閉じる |
F3 | 次を検索 |
shift+F3 | 前を検索 |
Alt+Enter | すべて検索 |
Ctrl+Enter | すべて置換 |
Atomの課題
万能そうにみえるAtomですが、欠点もあります。今後改善されていってほしい、もしくは自分の手で改善してみたい点についてあげてみます。
起動が遅い
Atomは他のエディタと比べてかなり起動が遅いです。Atomはオープンソースで開発され、Issueにも起動の遅さについてあがっているので、近い将来改善されることを望みます。
英単語の途中で折り返したい
Atomは、「japanese-wrap」パッケージを使って日本語の文章の折り返しを設定したとしても、英単語の途中で厳密に折り返ししてくれません。単なるWebの文章を書く時はいいのですが、1行の文字数を気にして書かないといけない文章を扱うときには不便を感じます(編集者の仕事で言うと、メルマガや雑誌など)。
このことに悩んでいるユーザーは少なそうですし、パッケージも出なさそうなので、自作パッケージに挑戦してみたいなと思いました。
これらの課題をカバーしているのがサクラエディタなので、筆者は、ちょっとしたメモ書きのためにサッと起動したり、メルマガ作りなどにはサクラエディタを使用し、じっくり原稿整理をしたり、執筆したりする場合はAtomを使うなどといった使い分けをしています。
最後に
Atomは、執筆時点でリリースから1年ほどしか経っていないなど、まだ発展途上のエディタではありますが、日本語の扱いも上々で、パッケージなどによる拡張性も高いです。この記事を読んでAtomに興味をもった方は、ぜひ記事を書いて発表してみてくださいね!
本記事が掲載されている同人誌『Far East Developer Review デブサミ2015特別号』について
『Far East Developer Review』(FEDR)は、DevLOVE Pubの活動理念に基づいて、同集団の刊行誌として頒布している「エッジ その先へ」を目指すIT技術マガジンです。 翔泳社主催 Developers Summit 2015にて同人誌頒布が解禁されたのを受け、緊急発刊。
今回より新たに「スーパーエディタ」「アジャイルラノベ作家」を執筆陣に迎え、さらにGrowthしていくFEDR。これまで以上に多くのプログラマやコンサルタント、さらにマネージャ層から支持されたらうれしいなと思っています。
- 書名:『Far East Developer Review デブサミ2015特別号』
- 価格:500円
- 初出 : Developers Summit 2015
- 発行:DevLOVE Pub
- お求めはBoothにて
コミケ88にも出展!『Far East Developer Review 2015 Summer』
配置スペース「3日目 東O-52b」にてお待ちしています!