はじめに
プログラム開発において、特定の機能を提供するライブラリの活用は必須です。各種ライブラリをパッケージとして配布・管理するツールは、開発ツールや開発言語によりさまざまなものが提供されています。
前回の記事で、HTML/JavaScript開発を主なターゲットにしたパッケージ管理ツールBowerを紹介しました。Bowerを利用すると、JavaScriptやCSSなどのライブラリを、依存性を解決しながら自動的にダウンロードすることができます。
前回記事ではBowerを単体で利用してライブラリをダウンロードする方法を説明しましたが、他のツールと組み合わせればBowerの機能をより便利に活用できます。連携できるツールや環境はBowerの公式Webページに列挙されています。
本記事では、以前の記事でも紹介した、タスク実行ツールGruntをBowerと組み合わせた利用例を紹介します。
またパッケージ管理ツールはライブラリを利用するだけでなく、提供する側にとっても便利なツールといえます。そこで本記事の後半では自作ライブラリをBowerに登録して公開する手順を説明します。
対象読者
- ライブラリ管理もタスクの一部として自動化したい方
- 自身のライブラリを世界に公開したい、腕に自身のあるプログラマの方
- 必要なときに過去の自作ライブラリが見つからず難儀した経験のある方
必要な環境の準備と基本的な利用法
Bowerセットアップの詳細については前回記事も参照してください。ここでは概要のみ説明します。
Bowerをインストールするには、Node.jsとGitがインストールされている状態でリスト1のコマンドを実行します。
npm install -g bower
リスト2のようにbower installコマンドを実行してライブラリ(jQuery)がダウンロードできれば、Bowerは正しくインストールされています。
bower install jquery
今回は以下の環境で動作を確認しています。
- Windows 7 64bit版
- Node.js v0.12.2
- Git v1.9.5
- Bower v1.4.1
- Internet Explorer 11