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最新バージョン「Visual Studio 2017(Visual Studio "15")」特集(AD)

インストール時の速度と容量が劇的に改善! 多目的で気軽に導入しやすい次期バージョン「Visual Studio "15"」

最新バージョン「Visual Studio 2017(Visual Studio "15")」特集 第1回

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IDEの機能強化

 VS15では、IDEの機能もさらに強化されているので、いくつか紹介しておきます。

拡張機能マネージャーのローミング

 拡張機能マネージャーに、ローミング機能が追加されました。拡張機能の設定リストがクラウド内に保存されるようになるので、複数の開発環境であっても、サインインすればインストールした拡張機能が同期されます。

 メインメニューの[Tools]から、[Extensions and Updates]を選び、[Roaming Extension Manager]をクリックすると、同期している拡張機能の一覧が表示されます。なお、同期を停止したい場合は、各機能を選択し、表示されたStop Roamingボタンをクリックします。

拡張機能マネージャーのローミング設定
拡張機能マネージャーのローミング設定

スタイルアナライザー

 スタイルアナライザーは、コーディング規則を設定する機能です。この機能を使うと、コーディング規則の統一ができるので、チームで開発する場合など、よりメンテナンス性の高いコードを書くことができます。

 C#であれば、メインメニューの[Tools]から[Options]を選び、[Text Editor]-[C#]-[Code Style]-[General]を開くと、設定画面になります。

Code Style設定画面
Code Style設定画面

 ここでは、次の3つの規則が設定可能です。

  • メンバーアクセス時のthis.の規定
  • 型指定に、System.Int32などの.NET Frameworkの型か、intなどのエイリアスのどちらを使うか
  • 暗黙的型指定のvarの適用範囲

 例えば、コーディング規則として、クラスのメンバーアクセス時には、必ずthis.をつけるようにしたい場合は、まずthis. preferences内のPreference項目で、Do not prefer this.から、Prefer this.(this.の適用)に変更します。そして、Severity(厳格さのレベル)を、None、Suggestion、Warning、Errorから選びます(ただしNoneの設定では、特に何も変化しないので、選択する意味はないかもしれません)。

 this.をつけずにメンバーにアクセスするコードを書いた場合、Suggestion設定なら、該当のコードがグレーの表示になるだけですが、Warningなら緑の波線、Errorなら赤い波線の表示が付加されます。また同時に、Error Listウィンドウにも、コーディング規則の設定の応じた詳細情報が表示されます。

Error表示
Error表示

命名規則

 スタイルアナライザーでは、変数などの命名規則も設定可能です。[Options]から、[Text Editor]-[C#]-[Code Style]-[Naming]を選択すると設定画面が表示されます。

 例えば、定数はすべて大文字にするという規則なら、まず+ボタンをクリックしてNaming Ruleを新規作成します。そして、各項目の設定は、次のようにします。

Naming Rule設定
項目 設定する内容
Name 任意名称
Symbol Specification 任意のタイトルをつけ、Modifiesのconstにチェックする
Naming Style 任意のタイトルをつけ、CapitalizationはALL UPPERを選択する
Parent Rule None
Severity Error

 Name項目には、任意の名称をつけます。

Naming Rule設定
Naming Rule設定

 Symbol Specification項目では、+ボタンをクリックすると設定ダイアログが表示されるので、次のように、任意のタイトルをつけ、Modifiesのconstにチェックします。

Symbol Specification設定
Symbol Specification設定

 同様に、Naming Style項目では、任意のタイトルをつけ、Capitalization(大文字設定)項目からALL UPPER(すべて大文字)を選択します。

Naming Style設定
Naming Style設定

 これで、constキーワードでの定義はすべて大文字にする、という規則の設定ができました。

Naming Rule追加完了
Naming Rule追加完了

 例えば、クラスの定数定義で、次のように記述すると、エラー表示となります。

命名規則違反の表示
命名規則違反の表示

文字列の分割

 この機能は、ちょっとした小技のような機能ですが、意外と便利かもしれません。長い文字列を定義した場合、ソースが見づらくなる場合があります。そのような際に、文字列の中間にカーソルを置いてEnterキーを押すだけで、文字列が分割され、+演算子で結合された記述に変換されます。

 サンプルコードの文字列部分で、カンマの直後にEnterキーを押した場合、次のような変換結果となります。

Console.WriteLine("BMI:{0:F2}," +
    " 適正体重:{1:F2} kg", bmi, ideal);

まとめ

 今回は、VS15の新しいインストーラーとIDEの新機能を解説しました。次回以降でもVisual Studioの新しい機能を中心に解説する予定です。

参考資料

修正履歴

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 高江 賢(タカエ ケン)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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