- 講演資料(佐藤氏):企業主催勉強会BPStudy?個人が輝くコミュニティを目指して
10年運営が継続しているコミュニティ「BPStudy」
夏サミ2017 Bトラックの最終セッションを飾ったのは、ビープラウド佐藤氏、dotstudioの菅原氏、コワーキングスペース茅場町Co-Edoを運営する田中氏による「コミュニティを長く続ける秘訣」。60分のセッションに3人が登壇するので、各人、約20分の発表を行った。
まず登壇したのは佐藤氏。佐藤氏が代表を務めるビープラウドは、インターネットプラットフォームを活用したシステムの受託開発を行っているITベンチャー。エンジニアをつなぐIT勉強会支援プラットフォーム「connpass」の企画、開発、運営も行っている。
そんな佐藤氏が2007年9月より毎月1回開催しているIT系勉強会が「BPStudy」だ。「テーマはITやエンジニアに関することならなんでもOK」と佐藤氏は説明する。開催回数は今年8月で120回。
佐藤氏がBPStudyを始めた契機は2004年ごろにさかのぼる。当時、佐藤氏は数か月に1回、不定期にエンジニア仲間で集まって技術の話をしていたという。2006年に会社を設立し、2007年にオフィスを借りた。そのビルに貸し会議室があったことから、「技術者仲間が定期的に集まって話せる場を作ろう」と考えたそうだ。そして会社名をもじって勉強会の名前を「BPStudyにした」と佐藤氏は説明する。
これまでの登壇者は320人。開催して良かったことは、「会社として個人が発表できる場を作れたこと」と佐藤氏は言う。自分で取り組んでいることを話したいと思っても、なかなか話せる場はない。BPStudyは個人が自分の経験や成果を発表できる場となっているというのである。それだけではない。「BPStudyはクッションの場としても活用できる」と佐藤氏は説明を続ける。「当社に入社したいという人が勉強会に来てくれて、懇親会などで話をして私の人となりを見てくれる機会にもなっている」。佐藤氏個人としてのメリットは、「昔の知人がひょっこり来てくれること」。BPStudyが気楽な再会の場になっているという。
毎月開催していると「心が折れそうになることもある」と佐藤氏は言う。開催テーマの企画が決まらない、集客、当日のドタキャンで参加人数が読めなくなるときなどだ。とはいえ、もう10年も継続開催しているので、解決策もある。例えば開催テーマの企画が決まらないときは、本屋で新刊技術書籍やカンファレンスの企画をチェックしてリスト化したり、過去の登壇者の旬ネタをウォッチしたり、技術イベントでナンパ・スカウトしたりすることで悩みを解決している。「2か月前にはオファーして余裕を持つことが大事」と佐藤氏。
また、「イベント主催者の悩みの8割は集客」と佐藤氏は話す。集めたい人数を満たすために、イベントページに来てもらうよう、例えばイベント名に内容を含めるなど導線の改善をしたり、ライティングを勉強しイベントの魅力が伝わるよう内容の改善を行ったりしたそうだ。「すると参加登録者数が増加した」という。当日のドタキャン対策については、「リマインドのタイミングや参加枠の使い方など、有効な対策を検討中」と話した。
さらに、BPStudyの存在意義は「個人の活躍の場になればいい」と佐藤氏は言う。というのも発表することは、「何か話せることはあるかと自分の中で探し始める→自分で経験したことを整理する→勉強会で話す→自分の専門分野・得意分野が明確になる→将来のキャリアにつながる」といった流れを生むからだ。そしてそこには「人生が変わる」可能性がある。
発表する内容も特に構える必要はない。「やってみてどうだったのか、やってみて得た知見、最新情報、コツや独自の理論など本には書いていない内容であればなんでもよい。勉強会という場を使って自分をブランディングしよう」
最後にこう語り、佐藤氏はセッションを締めた。