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週末は意味不明なカタカナであふれかえってしまった

稲垣
最初の頃、週末になるとランキングがカタカナの言葉で埋め尽くされることがあって、なんだろな? と思って見ていたんです。
編集部
なんだったんですか?
稲垣
それが、競馬の馬名だったんです。週末が近づいてくるとみなさんブログ上で予想をされる方が多いんですよね。ネット上で馬券購入をされたりする方は、当然ネットには詳しい方が多いのでブログにご自身の予想を書かれたりもする。それが相当数のユーザがいたんです。
編集部
わかってしまえば簡単ですが、いきなり来ると驚きますね。
稲垣
そこでこれをkizasi.jpの検索結果と切り離して、kizasiのランキングとは別に馬のランキングを作りました。でも、そういういっぺん経験してみないとわからないことってありますね。
編集部
ええ、確かに。
稲垣
馬に関して言うと、ブログで予想される皆さんは、本命馬の近くに「◎」をつけて書かれることが多いんですよ。そこで、馬名の横に「◎」あるケースだけ拾っていって集計してみたんです。そうすると、いわゆるブロガー達のオッズができるじゃないですか。
編集部
そうですね。
稲垣
これはさっき言ったようにkizasi的に「今来てる度」で集計したことになるんですが、有馬記念のときにkizasiランキング1位2位の馬が、実際のレースでも1位2位を取ってしまったんです。
編集部
誰か実際に買われたんですか?
稲垣
それが誰も(笑)。おもしろいんでチャンネル化してkizasi的予想を掲載しようかとも思ったんですが、それを参考にして購入された方が損されても保証できないので、さすがにやめました。

kizasiチャンネル

編集部
今、「チャンネル」という言葉が出ましたが、具体的にどういうものですか?
稲垣
kizasiの特徴として「kizasiチャンネル」というものがありまして、ある1つの事象・カテゴリについてのランキングを用意しています。
kizasiチャンネル
編集部
チャンネルは手動で作成しているんですか?
稲垣
そうですね。自分たちで作ったものもあれば、自動で作ったものもあります。「バトンチャンネル」は自動で生成したもので、これは今流行っているバトンがわかるものなんですが、これ自体は事象エントリー自身を自動的に生成しています。といっても簡単な仕組みなんですけどね。
瀬戸口
これなんかは夏休みになると学生さん達の間で流行るのか、盛り上がってきますね。
稲垣
そのせいで、当初はkizasi検索結果本体がバトンだらけになってしまったので、バトンだけ切り離そうということになり、バトンだけ取り出すプログラムを書いたんです。ついでに取り出せるならランキングを作ろう、ということで作ってみたんです。
瀬戸口
コラボの場合は、そこの内容に詳しい専門の会社さんに協力していただいてます。カカクコムさんの携帯の話であるだとか、デジタルARENAさんのデジカメの話であるだとか、そういうのはコラボレーションという形でやっています。
稲垣
kizasiのシステム自体は我々がやっていますが、私たち自身がケータイやデジカメについて詳しい知識を持っているわけではないので、当然それをお持ちの方々とコラボレーションしていければなと思っていました。
編集部
そういったことは、いつ頃から考えていたのですか?
稲垣
kizasi.jpを立ち上げた当初からです。ただ、これに関しては手探りでいろいろ試しながら作っているところもあるんです。ですから、「こういうの作りたいんだけど」という提案があればいつでもお話を伺いたいですね。
瀬戸口
Tech総研さんでは、IT用語の辞書を作られてまして、それをkizasiで解析してXMLを送り、今度は向こうがそれを求人情報などと結びつけたりしています。データをそのまま使ってもいいし、加工したり組み合わせたりして使ってもいい。いろんな方法がありますね。
稲垣
カカクコムさんの場合ですと、クチコミデータですね。あのデータをkizasiで解析して、その結果をお使いいただいている。これは我々がクローリングしているデータではなくて、カカクコムさんが持っているクチコミデータを解析してお返ししています。一方でkizasi側からのデータ提供として、機種画面のブログチェックボタンを押した際に、ブログでどんなことが言われているかがわかるようにしています。
カカクコムの携帯ページには機種ごとに「キーワード分析」が表示されるが、この図は口コミデータを元に作成されている。
キーワード分析
編集部
データはいろんなところから持ってこれるんでしょうか?
瀬戸口
「時間情報のついたテキストデータ」であれば、何でも読めます。そういう意味ではもっといろんな可能性がありそうだと考えています。
編集部
フィードバックや引き合いはあるんですか?
稲垣
そうですね、「こういうことできますか?」とか、「がんばってください」とか(笑)。
桑原
これができるんだったら、これもできるんじゃないか?という提案が多いですね。時刻情報さえあれば何でもできるんで、ニュースを1年分読み込んだらどうなるのか、とか、他の新聞社さんからデータをお借りしたりとか。
稲垣
一昨年の12月にkizasi.jpをアップしたんですが、いろんな企業さんから、それも大企業さんから「こんなことできないか?」というメッセージをいただけて、恵まれているという感触です。

「ブログを書く」ということ自体がタグを付けている

編集部
きざし的フォークソノミー」とはどのようなものなのでしょうか?
瀬戸口
ソーシャルブックマークやFlickrなどでもタグを付けていくじゃないですか。かわいい猫の写真があったら「猫」とか「かわいい」というタグをつけていきますよね。
編集部
ええ。
瀬戸口
そのとき画像にタグをつける、ということをやっていますが、そもそもブログってテキストなので、書かれていることそのものがタグであるとも言えるんですよ。「○○に感動しました」って書いたら、○○に「感動」タグをつけたということになるんです。
稲垣
そういったタグが何に付けられたかというのを集計しているのが「きざし的フォークソノミー」です。例えば「感動」という言葉を入力して、その言葉が飛び上がった、話題性が高かった日付を出してみる。直近1年で見てみると、WBC王ジャパンだったり、早実の話題だったりする。そういうことがわかる機能なんですね。
編集部
これは面白いですね。
稲垣
これはまだラボに出しているだけで、kizasi.jpにはない機能なんですが、でもこれを見て「いいね」と言ってくれた方もいて、YOMIURI ONLINEさんがこの機能を使って、今年1年を振り返ってみようという企画をやってくださいました。

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kizasi labo、kizasi blog

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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