八芳園で開催された技術カンファレンス
今年のLINE DEVELOPER DAYの会場となるのは、広大な日本庭園を構える「八芳園」だ。来場者は庭園を楽しみながら受付を通過し、セッション会場へ足を運ぶというアプローチだ。
今年は新たに、LINE社内のエンジニアに呼びかけ、セッションの公募を実施。各会場でのセッションのほか、ライトニングトークやポスターセッションが行われた。さらにLINEのビデオ通話を活用したゲーム「Face Play」や、Clovaを活用した「Photo Booth」の展示も来場者を楽しませた。
「NEXT LINE」の意図するところとは
「Next LINE」というテーマを掲げて開催された今回の「LINE DEVELOPER DAY」。朴氏は「目指す方向性は大きく2つある。一つがConnect、もう一つがMutually Beneficial Ecosystem」と語る。
Connectを強化するために積極的に取り組んでいるのが、サーチやレコメンデーション、パーソナライゼーションの高度化、及び音声認識や音声合成、対話技術などの技術開発である。「これらの技術の実現に欠かせない技術がAI」と朴氏。
またもう一つの目指す方向性「Mutually Beneficial Ecosystem」を実現するため、LINEが進めてきたのがAPIのオープン化である。直近で公開したAPIの一例が「LIFF」と「Clover Extensions Kit」だ。
LIFFは2018年6月にリリースしたWebアプリケーションフレームワーク。「これを使うことで、LINEのトーク画面においてみなさんのサービスのニーズに合わせ、いろいろなインタフェースが表現できるようになっています」と朴氏は説明する。チャットアプリのトーク画面やゲームなどですでに活用されているという。
一方の「Clova Extensions Kit」は2018年7月に公開された。「これを使えばClovaのスキルを簡単に開発できます」と朴氏。開発したスキルは、Clovaスキルストアで公開されており、その中には日本最大級のタクシー配車アプリ「JapanTaxi」を呼び出すスキルなど実用的なものまで登場している。「ぜひみなさんも参加して作ってください」(朴氏)
またLINEでは開発者、ユーザー、そしてLINEの三者が互いに成長するための新たなエコシステムを構築した。それが今年リリースしたトークンエコノミープラットフォーム「LINK Chain」である。LINK Chainはブロックチェーン技術をベースにしている。大規模なコンシューマサービスがすぐ使えるよう、ハイパフォーマンス、使いやすい開発環境、インタフェースを提供している。すでにいくつかのサービスがLINK Chainに参加しているという。「今後もより多くのパートナーがエコシステムに参加できるよう、APIの公開に拍車をかけていきます」と朴氏は意気込みを語る。