AndroidでのJSON解析
いよいよ、処理がUIスレッドに戻ってきました。JSON文字列の解析を始めましょう。
PostExecutorでresultを受け取れるようにする
JSON解析を行う前に、そもそも、PostExecutorのコンストラクタを改造して、resultを受け取れるようにしましょう。これは、リスト7のようになります。
private class PostExecutor implements Runnable { private final String _result; public PostExecutor(String result) { _result = result; } 〜省略〜 }
フィールドの_resultにスレッドセーフのためのfinalが付与されていること以外、特に問題はないでしょう。
JSON解析コード
このPostExecutorのrun()メソッド内に、フィールドとして保持したJSON文字列_resultを解析して、画面に表示するコードを記述しましょう。これは、リスト8のようになります。
public void run() { String cityName = ""; String weather = ""; try { JSONObject rootJSON = new JSONObject(_result); // (1) cityName = rootJSON.getString("name"); // (2) JSONArray weatherJSONArray = rootJSON.getJSONArray("weather"); // (3) JSONObject weatherJSON = weatherJSONArray.getJSONObject(0); // (4) weather = weatherJSON.getString("description"); // (5) } catch(JSONException ex) { Log.e(DEBUG_TAG, "JSON解析失敗", ex); } String telop = cityName + "の天気"; // (6) String desc = "現在は" + weather + "です。"; // (6) TextView tvWeatherTelop = findViewById(R.id.tvWeatherTelop); // (7) TextView tvWeatherDesc = findViewById(R.id.tvWeatherDesc); // (7) tvWeatherTelop.setText(telop); // (7) tvWeatherDesc.setText(desc); // (7) }
AndroidでJSON文字列を解析する場合は、JSON文字列を引数にJSONObjectをnewします(リスト8の(1))。これをrootJSONとし、あとは、JSON構造に合わせて、以下のメソッドを利用しながら内部のデータを取得します。
- 直下のJSONオブジェクトの取得はgetJSONObject("キー")
- 直下のJSON配列の取得はgetJSONArray("キー")
- JSON配列の指定インデックスのJSONオブジェクトの取得はgetJSONObject(インデックス)
これらのメソッドを駆使して目的のJSONオブジェクトを取得したら、最終的にキーを引数としてgetString()を実行して、目的のデータを取得します。
リスト8では、都市名は、rootJSONの直下のキーnameでgetString()を実行すれば取り出せますので、(2)のコードになります。
一方、天気情報は、JSON配列内のインデックス0のJSONオブジェクト内に格納されています。そこで、リスト8の(3)と(4)のように、天気情報が格納されたJSONオブジェクト取得し、最終的にキーdescriptionでgetString()を実行して取り出しています(リスト8の(5))。
そのようにして取り出したJSONデータをもとに表示文字列を生成しているのが(6)であり、それら文字列を画面に表示させているのが(7)です。
なお、これらのJSON文字列解析にも例外が発生しますので、例外処理が必要です。
まとめ
今回は、前回のソースコードを踏まえて、非同期で実際に天気情報を取得するコードをもとに、AndroidでのHTTPアクセス、および、JSONデータの解析方法を紹介しました。
Java版については、これで終了です。次回は、Kotlin版に移行します。イメージ的には、ここまでのコードをKotlinコードに置き換えれば終わりのように思えますが、Kotlinには、Kotlinのみで可能な非同期コードの書き方があります。それを紹介します。