他分野の経験・知識×エンジニアの掛け算で、広がるキャリア
「文系エンジニアは一度、技術力やコーディング力を体得すると、さまざまなキャリアが見えてきます」と関本氏。
例えば法律学科卒のエンジニアであれば、GDPRなど個人情報保護の問題などの分野で、強みを発揮することができる。意外と関係なさそうに思えるかもしれないが、アートとエンジニアは親和性が高く、例えば、近頃のCGや3Dアニメーションの制作現場では、7割ぐらいまで作り上げてはまた1から作り直したりを複数繰り返すなど、アジャイル開発に非常に近しいところがある。
文系エンジニアのメリットは、「掛け算式キャリア」が比較的容易に考えられることだ。現在、世の中のほとんどの企業がIT企業といっても差し支えないほど、ITの活用がビジネスを左右するようになっている。しかも約15年後には、プログラミング義務教育世代が社会に出てくる。そんな時代にただ仕様通りに作るエンジニアでは勝負できない。
「開発技術に足して何かしら別の強みを持ち、企業に貢献できるようなエンジニアになっていないと、生き残っていくことはできないと思います。だからこそ、今後掛け算式キャリア形成という考え方が重要になってくるのです。しかも文系/非情報系出身だと、技術的領域以外の知識や経験から掛け合わせられる変数の数も多くなるので、優位に働くはずです」(関本氏)
関本氏の強みを、掛け算式キャリア設計を使って表すと、英語(経験)×技術的バックグラウンド(経験・知識)×コミュニケーション能力(得意)となるという。そして目指しているキャリアは「外国人エンジニアがたくさんいるチームのテックリード」である。
これまでの経験や得意分野などの、すでに自分が体得しているモノが掛け合わせると、現実味のある目標になる。掛け合わせられる変数の中には、これまでぶつかった壁も入っている。だが、それらの変数はすごく小さなモノで、制御不能なもの。「そうではなく、自分でコントロールできそうな変数の能力を向上することに意識を向けることが重要」と関本氏はアドバイスする。
確かに関本氏にとってはもはや宇宙人にも思える「宇宙語と日本語で喋る」先輩エンジニアとやりとりを重ねることで、コミュニケーション能力は向上するかもしれない。だが、最初からそこに意識を向けるのではなく、「Pythonのパッケージを勉強するなど、一つでも技術的バックグラウンドとなることに意識を向けることをお勧めします」と関本氏は強調する。
関本氏はテックリードという目標を達成するためには、「コードの品質担保や採用アーキテクチャ・設計への責任などの技術的・知識や経験を身につけていくことが必要だと感じている」と話す。それを身につけるため、情報系大学院への進学も考えているという。
「悩んだときはコントロールできる目標に立ち返り、ちゃんとそれに向かって進んでいるか確認することです。その際に自分でコントロールできないモノはあまり気にしないこと。そのためにも、目標を掲げることが重要になりますが、目標がまだ見つかっていないという人は、掛け算式キャリア形成で、目標を作ってみてください。自分のエンジンに油を差すことを忘れないように、共に頑張っていきましょう」
関本氏は最後にこう視聴者に呼びかけ、セッションを締めた。
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