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産業用途で活用が進む「Raspberry Pi」の最新動向~ラズパイIoTの基礎から事業化のコツまで

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ラズパイをクラウド連携するには? IoTで使う方法を解説

 次に、セルラー通信を軸にIoTプラットフォームを提供する株式会社ソラコム テクノロジー・エバンジェリスト 松下享平氏から、「Raspberry PiによるIoTの作り方」を紹介しました。

 このパートでは、ラズパイは、IoTにも最適だと松下氏は語ります。

 IoTとは、遠くにはなれたモノやコトをリモートで管理、制御する仕組みを指します。この仕組みを構築するには、現場をデジタル化するセンサーやデバイス(モノ)、現場から出てきたデータを活用するクラウド、そしてモノとクラウドをつなぐネットワークの3つのパーツをつなぐ必要があります。

 ラズパイは、センサーとネットワークの間にはいり、それぞれを制御するのに役立ちます。ことができます。センサーとの接続は、ラズパイのGPIOのピンヘッダの他、BLE(Bluetooth Low Energy)、CSI(Camera Serial Interface)、USBを用います。クラウドへの連携は、WI-FI、LTE/5Gなどのセルラー通信、LPWAN(省電力が特徴の長距離無線通信)を利用します。

 ラズパイでは、GPIOのピンヘッダに直接センサーを接続できます。さらにセンサー接続専用のコネクタを併用するとより簡単にセンサー接続できます。例えば、Grove Piシリーズは、ケーブル状のコネクタでさすだけでセンサー接続が完了。電力供給のためADコンバーターが必要なセンサーも、このようなコネクタを挟むことで安定して使えます。

 次に、通信の種類です。下の図は、消費電力を縦軸、短距離/長距離通信を横軸に通信の種類を分別した表です。多くの方が思いつくWi-FiやBLEは、基本的に短距離通信に該当し、有線LANやスマートフォンを中継しないとインターネットに接続することができず、設定にひと手間かかります。一方下記の表、右側の通信は、長距離無線通信で、インターネットにダイレクトにつながる通信です。設置や回線管理のしやすさから、最近のIoTでは、長距離無線通信を用いることが増えています。

 ラズパイの通信設定は、ラズパイではUSBが使えますので、スティック型のUSBデータ通信端末(通称:ドングル)とIoT向けのSIMカードの組み合わせが便利です。

 しかし、このような通信端末は、ラズパイOSにpppやwvdialなどをインストールし、通信端末として認識させる必要があります。ソラコムで提供しているドングルは、setup_air.shという初期セットアッププログラムを無料提供しているのでぜひ活用してください。

 最後の難関がクラウド連携です。クラウドに接続する際、データ通信のプロトコルの選定、データの送信先であるエンドポイントの設定、クラウド連携のための認証の管理、送るデータの形式(フォーマッティング)、通信エラー時の処理などを考慮し、デバイスに実装する必要があります。

 実装方法は2種類あります。まず、クラウドが提供しているSDKを利用する方法。コーディングは数行で済みますが、SDKのインストールやアップデートの手間がかかります。次に、HTTP RESTでコーディングする方法。これならラズパイで使えるcurlコマンドで実装できますが、プロトコルや認証、エラー処理はすべて自分で実装しなければなりません。

 SORACOMプラットフォームでは、認証管理、クラウドへの転送、さらにはインフラの準備なしでデータ蓄積、ダッシュボード作成するサービスがあります。必要に応じてサービス組み合わせることで、上記のような開発の手間を省き、ブラウザやAPI経由での設定だけでセンサーからクラウドまで一気通貫システム構築できます。

 そして、ラズパイの初期設定に、Raspberry Pi Imager 1.6を使う方法を紹介しました。マイクロSDカードにラズパイのOSを書き込む際に、[ctrl]+[shift]+[x]のショートカットキーを押すと、SSHの有効化とWi-Fiの設定など初期設定を画面から実施できます。

 松下は、「安価に入手でき、センサー連携もできるラズパイはIoTでも活用が増えています。まずは手を動かして、身近なモノ、コトのIoT化からぜひはじめてみてください」と述べました。

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株式会社ソラコム(ソラコム)

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