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Cyber Luxeonで学ぶXMLDB入門

XMLDBとJavaAPI、JAXB2.0を活用したWebアプリケーション開発(実装編)

Cyber Luxeonで学ぶXMLDB入門 第6回


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商品情報(商品XML)削除処理

画面遷移

 商品情報削除処理の画面遷移を以下の図に示します。

商品情報 削除処理の画面遷移
商品情報 削除処理の画面遷移

 「商品情報削除」処理は、商品一覧の該当商品の削除ボタンを押下すると、XMLDB上の該当の商品データのXMLが削除されます。

コントローラ(ItemCRUDServlet)

 コントローラとなるサーブレットでは、HTMLから「action="delete"」というパラメータを受け取った際に、以下の順でXMLの削除処理を実行します。

  1. ItemDaoのdeleteメソッドを呼び出す(引数は削除対象商品の商品コード)
  2. 商品一覧画面(list.jsp)にForwardする

 以下にItemCRUDServletのソースを示します。

ItemCRUDServlet.java
// ~省略~

}else if (action.equals("delete")) {
    // 【商品削除】→一覧表示    
    itemDao.delete( req.getParameter( "item_code" ) );
    forwardToList(req, res);
}

Daoクラス

ItemDaoImplクラス

 次にItemCRUDServletクラスから呼ばれるItemDaoImplクラスのdeleteメソッドは以下の順で処理を実行します。

  1. LuxeonDaoクラスのremoveDocumentFromBinderを呼び出しXMLバインダドキュメントから削除
  2. LuxeonDaoクラスのdeleteXMLを呼び出しXMLを削除

 ItemDaoImplクラスのdeleteメソッドのソースを以下に示します。

ItemDaoImpl.java
public boolean delete(String itemCode){
    String xmlName = "items/" + itemCode + ".xml";
    LuxeonDao.removeDocumentFromBinder( "items/item_container.bnd" ,
                                         xmlName );
    LuxeonDao.deleteXML( xmlName );
    return true;
}

LuxeonDaoクラス

 次にItemDaoImplクラスのdeleteメソッドから呼ばれるLuxeonDaoクラスのremoveDocumentFromBinderメソッドとdeleteXMLメソッドについて説明します。

 LuxeonDaoクラスのremoveDocumentFromBinderメソッドは以下の順で処理を実行します。

  1. セッション、XMLStoreを取得
  2. バインダドキュメントを取得
  3. バインダドキュメントからXMLへのリンクを削除
  4. ストリーム、セッションを閉じる

 LuxeonDaoクラスのdeleteXMLメソッドで行っている処理は次のとおりです。

  1. セッション、XMLStoreを取得
  2. 削除対象のXMLを取得
  3. XMLを削除
  4. セッションを閉じる

 以下にLuxeonDaoクラスのremoveDocumentFromBinderメソッドと、deleteXMLメソッドのソースを示します。

LuxeonDao.java
/**
* @param binderName
* @param xmlName
* @return
*/
public static boolean removeDocumentFromBinder(String binderName, String xmlNam{ Session xmlDbSession = null; try { xmlDbSession = XlnClientSessionFactory.getSession(); XMLStore xmlStore = xmlDbSession.getXMLStore(XML_STORE_NAME); Binder itemsBinder = (Binder)xmlStore.getFile( binderName ); XMLDocument xmlDoc = (XMLDocument)xmlStore.getFile( xmlName ); if ( xmlDoc == null ) return true; return itemsBinder.removeDocument( xmlDoc ); } finally { if ( xmlDbSession != null ) xmlDbSession.release(); } } /**
* 引数で渡されたXMLファイルを削除。
* @param xmlName XMLファイル名
* @return ファイル削除に成功した場合true,失敗した場合,false。
* ファイルが存在しなかった場合もtrueを返す。
*/
public static boolean deleteXML(String xmlName) throws XlnSessionException{ Session xmlDbSession = null; try { xmlDbSession = XlnClientSessionFactory.getSession(); XMLStore xmlStore = xmlDbSession.getXMLStore(XML_STORE_NAME); XMLDocument xmlDoc = (XMLDocument)xmlStore.getFile(xmlName); if ( xmlDoc == null ) return true; return xmlDoc.delete(); } catch (XlnSessionException e) { throw e; }finally{ if ( xmlDbSession != null ) xmlDbSession.release(); } }
XMLスキーマファイルの出力
 JDK6に標準で付属しているschemagenというツールを使用して、XMLスキーマファイルを出力することができます。なお、スキーマファイルは使用しなくても、サンプルアプリケーションは実行することができます。アプリケーション内でXMLバリデーションを実行する場合は、schemagenで生成したファイルを使用すると良いでしょう。またJAXBのアノテーションを定義した後に、schemagenで生成されるスキーマファイルを参照することにより、アノテーション定義が正しく設定されているかどうか確認することができるでしょう。
schemagenは以下の方法で実行します。
cd Javaソースディレクトリ
schemagen -cp jp\beproud\sample\ecitem\entity\*.java
ファイルが作成されると以下のメッセージが出力されます。
注:Writing schema1.xsd
以下に、Itemクラスに定義したアノテーションをもとに、schemagenで出力したスキーマファイルを示します。
XMLスキーマファイル
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<xs:schema version="1.0" xmlns:xs="http://www.w3.org/2001/XMLSchema">

  <xs:element name="item" type="item"/>

  <xs:complexType name="item">
    <xs:sequence>
      <xs:element name="item_name" type="xs:string" 
                  nillable="true" default=""/>
      <xs:element name="price" type="xs:int"/>
      <xs:element name="description" type="description" 
                  minOccurs="0"/>
      <xs:element name="option_name" type="xs:string" minOccurs="0"/>
      <xs:element name="options" minOccurs="0">
        <xs:complexType>
          <xs:sequence>
            <xs:element name="option" type="xs:string" 
                        maxOccurs="unbounded" minOccurs="0"/>
          </xs:sequence>
        </xs:complexType>
      </xs:element>
      <xs:element name="reg_date" type="xs:dateTime" minOccurs="0"/>
    </xs:sequence>
    <xs:attribute name="item_code" type="xs:string" use="required"/>
  </xs:complexType>

  <xs:complexType name="description">
    <xs:sequence>
      <xs:element name="caption" type="xs:string" minOccurs="0"/>
      <xs:element name="header" type="xs:string" minOccurs="0"/>
      <xs:element name="footer" type="xs:string" minOccurs="0"/>
    </xs:sequence>
  </xs:complexType>
n/xs:schema>

まとめ

 本稿では、XMLDB(Cyber Luxeon)をバックエンドとして、Cyber LuxeonのJava API、JAXB2.0をその基本アーキテクチャとして活用したWebアプリケーションの事例を説明しました。

 XMLDBは、著者の周りでもシステムに導入を検討していたり、開発者版を自分のPCにインストールして動作検証を試したりしているエンジニアが増えてきました。また、JAXB(などのJava/XMLのバインディング技術)は著者も実開発で活用してきましたが、XMLデータをJavaオブジェクトとして直感的に操作できることで、XMLデータを直接扱うよりも開発生産性を格段に向上できたうえ、オブジェクトとXMLスキーマとマッピングしていることで、データバリデーション機能が働き、バグの混入を未然に防ぐことができました。

 本稿が、XMLDBをバックエンドとしたシステム開発のアーキテクチャ検討の際に、実装の一例として参考となれば幸いです。

参考資料

  1. Cyber Luxeon ハンドブック』 サイバーテック社

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 佐藤 治夫 (株式会社ビープラウド)(サトウ ハルオ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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