PythonZenの試験や初学者向けサポートなどが続々登場
一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会は、Python市場が広がる中で、「Pythonic」を理解した人材が育成されることを目的に設立された。
「Pythonic」とは、Pythonの「お作法」「フィロソフィー」などともいわれており、「The Zen of Python」にはPythonの設計について記述されたイディオムがまとめられている。具体的な活動としては、これらに基づく試験の運用や、教材・スクールの認定および、カンファレンス参加などによる普及活動などがある。
そんな当協会が実施する「Python基礎試験」および「データ分析試験」は、経済産業省が定めたガイドライン「ITスキル標準(ITSS)」のキャリアフレームワークと認定試験・資格のマップで、職種はソフトウェアディベロップメント、専門分野は応用ソフトのレベル1に掲載された。掲載後の受験者数は200%強と増えており、1月のデータ分析試験でも前年同月比で380%と急増している。
- Pythonエンジニア育成推進協会が提供するPython試験一覧(随時、書籍プレゼントや再受験無料などのキャンペーンを行っている)
そして、前述のPythonのお作法および「PythonZen(The Zen of Python)とPEP 8」に関する知識を問う試験として「PythonZen & PEP 8 検定試験」も、3月よりベータ運営が始まっている。受験料無料で24時間いつでも受験が可能、ベータ版でも合格すれば正式に認定されるという。
Pythonを取り巻く市場動向は、求人・エンジニア人気ともに急上昇
すっかり人気の言語となったPythonだが、実際、人材市場的にも引く手あまたの様相だ。求人広告代理店「Indeed japan」の集計による2022年1月現在の求人数は、PHPやJava、C、C#に次いで5位の求人数であり、伸び率でいえば昨年の2倍以上にもなっている。
「求人数が増えているということは、Python市場が今後伸長するであろうと予測し、それに対応するために求人を出しているということ。AIや機械学習、ネットワークの自動化、Web関連といった分野に幅広く使われているが、その中でも強化しようという傾向が読み取れる。ぜひ、企業の人事教育担当の方々には参考としていただきたい」と吉政氏は語る。
また、パーソルキャリアの2021年2月の調査によると、ITエンジニア自身も「学びたいプログラミング言語」として1位にPythonをあげており、しかも32.8%もの高い数字となっている。そして、TIOBEプログラミング言語オブザイヤーを2020年、2021年と連続して受賞している。また、実際に学ばれている言語としても、オライリーによる2021年1月の調査で1位を獲得した。
吉政氏は、「20年前から存在するPythonだが、なぜ今になって熱狂的に盛り上がっているかといえば、AI、機械学習、ビッグデータ、インフラなどで中心的に活用されている技術として、『仕事に使える』という評価があるからではないか。そして、エンジニアは複数言語を取得する傾向があり、第2、第3の言語として学ぶ機運が高まっていると思われる。また国の情報処理技術者試験にも採用されたり、未来投資会議で育成を推進すると明言されたりするなど、期待も高まっていることが大きい」と分析した。
こうした傾向は日本だけでなく、米国では最初に学ぶ言語としてPythonが認知され、オールラウンドに活用されている。そして求人数も上位2位につけているという。
そうした追い風の中、現在実施されている「Python3 エンジニア認定基礎試験」と「Python3 エンジニア認定データ分析試験」の合計受験者は、4年目には年間1万人を達成し、ITSSに登録後の5年目では、年間で1万7千名のペースで受験者が増えている。