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Railsによるクライアントサイド開発入門

Rails 7×Hotwireで簡単にSPA開発! Turboの基本をチュートリアルとともに理解しよう

Railsによるクライアントサイド開発入門 第5回

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 連載第5回と第6回では、Hotwireを使ったSPA(Single Page Application)の開発について紹介します。前半となる今回は、JavaScriptによるコーディングをほとんど必要としないTurboの基本的なアプローチを理解します。

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はじめに

 WebアプリケーションフレームワークのRuby on Railsは、2021年12月にバージョン7となりました。これに伴い、クライアントサイド開発のサポートについても大きな変化を遂げ、多様な選択肢が提供されるようになりました。本連載では、このRails 7にフォーカスし、クライアントサイド開発のためのさまざまな機能を、API開発やリアルタイムWeb開発も絡めながら、紹介していきます。

対象読者

  • Ruby on Railsを長らく使ってきた方
  • 他のWebアプリケーション開発フレームワークを使ってきた方
  • Railsにおけるフロントエンド開発に関心のある方

必要な環境

 本記事のサンプルコードは、以下の環境で動作を確認しています。

  • macOS Monterey
    • Ruby 3.1.0p0
    • Ruby on Rails 7.0.4
    • Google Chrome 105

Hotwireとは?

 Hotwireとは、Rails 7で導入されたSPAライクなWebページを開発するためのフレームワークです。Railsの開発者であるDHH氏のプロジェクトであるBasecampにて開発されています。HotwireはHTML Over The Wireの略で、SPAの開発においてJavaScriptのコーディングを極力必要としない実装となっており、Railsアプリケーションとの相性がよいフレームワークです。

 HotwireはRails専用というわけではなく、その中身はTurboやStimulusなどのJavaScriptライブラリから構成されます。そして、それらもDriveやFramesなどのいくつかの機能で構成されています。さらに、HotwireをRailsから使いやすくするためのGemライブラリもそれぞれについて用意されています。これらの関連を示すとリストのようになります。

リスト RailsアプリにおけるHotwireの構成
Railsアプリ(Hotwire)
└┬─ turbo-rails … Turboのためのヘルパーを提供
  │    └── Turbo
  │         ├── Turbo Drive … ページ単位の書き換え機能
  │         ├── Turbo Frames … フレーム単位での書き換え機能
  │         ├── Turbo Streams … ページへの挿入/置き換え/削除機能
  │         └── Turbo Native … ネイティブアプリの開発のための機能
  └─ stimulus-rails … Stimulusのためのタスクを提供
        └── Stimulus

 なお、HotwireにはStradaというライブラリもアナウンスされていますが、執筆時点で未発表です。また、Turbo Nativeはネイティブアプリの開発のための機能なので、本稿では取り上げません。その他については、今回と次回の2回に分けて紹介していきます。

 このようにHotwireというものは多くの機能から構成されます。それらをしっかり理解した上で使うものだという印象を持たれるかも知れませんが、実際はそんなことはなく、極論すれば「効果のわかるところから」「手の着けやすいところから」導入していく、そんなアプローチが可能なフレームワークとなっています。本稿も、それに沿って、「Railsによってすでに行われていること」から入っていくことで、Turboの基本機能を中心にHotwireの理解を深めていきます。

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 山内 直(WINGSプロジェクト ヤマウチ ナオ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook <個人紹介> WINGSプロジェクト所属のテクニカルライター。出版社を経てフリーランスとして独立。ライター、エディター、デベロッパー、講師業に従事。屋号は「たまデジ。」。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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