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Developers Summit 2024 Summer レポート

1on1完全攻略法!組織全体の成長を促進させるための実践テクニックとは?

【24-B-5】良いプロダクト作りのための組織育成 ~1on1完全攻略編~

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1on1の効果的な進め方とテクニック

 ここで話題は、1on1の具体的な進め方と実践的なTipsへと移った。

 ZOE氏いわく、1on1は毎週できるだけ決まった時間に開催するのが望ましいという。時間を固定することで、ルーティンとして定着させやすくなるからだ。

 形式はオフライン・オンラインのどちらでも良いが、「可能ならお互いの顔を見ながら話す」のがZOE氏流。表情などの細かな反応を見ながらコミュニケーションを取ることで、より深い対話が可能になる。また1on1の時間については、「最初は30分程度から始め、内容が充実してきたら60分に延長するなど、柔軟に調整するのが良い」とアドバイスした。

 1on1を効果的に進めるためには、受ける側の情報を引き出すための準備も重要になる。1on1を行う側が何の準備もせずに臨むと、会話が停滞しがちになるためだ。「特に初期段階では、事前に相手がどんな業務に取り組んでいるか、何に悩んでいるかなどの情報を収集しておき、それに基づいて話を進めることが効果的だ」とZOE氏は強調する。

ZOE氏の実践する1on1のサンプル
ZOE氏の実践する1on1のサンプル

 こうした「基本」を徹底できるようになったら、応用的な1on1も視野に入ってくる。例えば、「1on1は目標設定や評価、進捗確認の時間ではない」のを基本としつつ、受ける側からのリクエストによっては、これらのトピックへ向き合う時間にするといったケースだ。

 また「1on1は受ける側のための時間である」という基本理念についても、「慣れてきたら視野を広げ、『お互いのため』の時間にできるように努力したい」と述べる。1on1を行う側が成長すれば、質や内容が向上し、受ける側への提供価値も高まっていくからだ。

 そして、1on1の基本である「相互理解」を深めるためには、傾聴に加え、ティーチングや情報共有が重要になる局面もあるとZOE氏は話す。特に、メンバーの言語化能力が低い場合や、初期段階でどう進めて良いかわからない状況では、ティーチングが有効である。

「資料として役立てて欲しい」とZOE氏が紹介する1on1の実施チェックシート
「資料として役立てて欲しい」とZOE氏が紹介する1on1の実施チェックシート

 なんとも奥深い1on1の世界だが、ZOE氏は「目的によっては、他の方法で代替できることもある」と、1on1自体が目的化することに警鐘を鳴らす。

 例えば、コミュニケーションが目的なら、ランチや雑談、プライベートな時間で十分に関係値が築けていれば、1on1の形を取る必要はない。業務報告や相談についても、適切なレポートラインやフィードバックの場が別に設けられていれば、1on1の必要はない。

 目標設定や評価も、評価面談や定期的な振り返りで代替できる。成長支援も、Slackなどのチャットツールや直接のタイミングで相談できる環境が整っているなら、わざわざ1on1の機会を設ける必要はないというのだ。

 ZOE氏は、「1on1の形を取るかどうかの判断は、受ける側に委ねられるべきだ」と話す。「受け手が求める環境を整える」という原理原則に都度立ち返ることで、「なんとなく」1on1を実施するような事態を避けられるわけだ。

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この記事の著者

丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

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水無瀬 あずさ(ミナセ アズサ)

 現役エンジニア兼フリーランスライター。PHPで社内開発を行う傍ら、オウンドメディアコンテンツを執筆しています。得意ジャンルはIT・転職・教育。個人ゲーム開発に興味があり、最近になってUnity(C#)の勉強を始めました。おでんのコンニャクが主役のゲームを作るのが目標です。

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