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より良いプロダクトを作り続けるために ――ソフトウェアエンジニアのための3つのキャリア構築マインドセット

【A-2】価値あるサービスを作り続けるための、エンジニアのマインドセット

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顧客現場に飛び込む―開発外業務から得られる新たな視点

 2つ目のマインドセットは「開発以外もやってみる」だ。開発といえば、システムの設計やKPI設計、実装、テスト、運用などが主な業務範囲として思い浮かぶ。しかし、白木氏は、それ以外の仕事にあえて挑戦してみることが開発に役立つと語る。例えば、カスタマーサポート(CS)の業務や営業・マーケティング担当者が行う広告管理などを経験してみるのだ。

 これらの業務を経験することで、開発の背景に対する理解が深まり、解像度が上がる。例えば、CSの業務に携わることで、問い合わせ対応の流れを把握し、操作しやすいUIの設計や、検索で頻繁に使われるフィルター条件を実現する方法を具体的に考えられるようになる。また、よく使われるパターンを拡張しやすいAPI設計に反映するなど、実際の業務に基づいた開発が可能になる。結果として、開発効率の向上にもつながる。

現場を知ることは、より良い価値提供への近道
現場を知ることは、より良い価値提供への近道

 しかし、ただでさえ時間がないのにほかの業務を体験することは、一見すると遠回りに思えるだろう。白木氏はここでも自身が実感したエピソードを紹介した。

 あるBtoB向けのサービスにおいて、顧客側での導入にはAPIで連携させる必要があった。API自体はすでに提供済みで、エンジニアとしては実装の難易度は高くないと考えていたが、実際には顧客側の対応が進まず、導入が滞っていた。

 白木氏は営業担当とともに顧客訪問を行い、担当者やエンジニアと直接会話する機会を持った。現場で話を聞くと、実装に取り掛かる前にお客様のシステムにさまざまな課題があり、それらへの対応に追われていることが分かった。また先方のエンジニアは疲弊しており、実装作業に着手する余裕がない様子だった。これを目の当たりにし、顧客側での実装は難しいと判断した。

 そこで、自社のサービスを呼び出す仕組みを実装・提供することにした。この対応により、自社サービスの導入が実現し、ビジネスへの貢献もできた。この経験を通じて、エンジニアは開発だけを行うのではなく、営業担当とともに現場に足を運び、直接課題を把握することが重要だと実感した。

 こうした取り組みを始めるのは難しく感じるかもしれない。他の業務に直接参加するのが難しい場合は、まずはユーザーや担当者の声を聞くことから始めると良い。例えば、依頼された機能について「この機能はどのような場面で使いますか」と尋ねたり、ユーザーに「普段どの作業に時間がかかっていますか」と聞いてみたりする。また、営業担当者には「失注の主な理由は何ですか」と質問してみる。こうした情報を集めるだけでも負担は少なく、実践しやすい方法だろう。

 「課題や状況の解像度を高めることで、価値あるサービスの開発につながると考えています。それが結果的に時間の無駄を防ぐことにもなります」

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受け止める姿勢が拓く可能性―受容が成長をもたらす

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

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CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

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篠部 雅貴(シノベ マサタカ)

 フリーカメラマン 1975年生まれ。 学生時代、大学を休学しオーストラリアをバイクで放浪。旅の途中で撮影の面白さに惹かれ写真の道へ。 卒業後、都内の商業スタジオにカメラマンとして14年間勤務。2014年に独立し、シノベ写真事務所を設立。雑誌・広告・WEBなど、ポートレートをメインに、料理や商品まで幅広く撮影。旅を愛する出張カメラマンとして奮闘中。 Corporate website Portfolio website

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