AVITAが目指す理想的なアバター社会とは?
ここで、AVITAでCTOを務める三上崇志氏がセッションを引き継いだ。

「AVITAでは、アバターの活用に4つのマーケットを想定しています。例えば、ハンディキャップを持っている方や、いろいろな場所で働きたいといった需要に対してマーケットがあると思っていて、これらのニーズに対して現在2つのサービスでアプローチしています」


1つ目が、アバターを活用したリモート接客サービス「AVACOM(アバコム)」である。AIとリモートによる接客が可能で、設置したPCやWebサイトに対応している。AVACOMは、すでにいくつかの企業で導入事例がある。
例えば、淡路島のアバターコンシェルジュなどで使われている。また、AVACOM自体ではないが、AVITAのアバターが保険市場のアバター相談サービスに利用されている。どちらも、Webサイトから実際に利用できる。


ローソンでは、セルフレジの横にアバターが表示され、アバター店員として来店中のお客様をサポートしている。他には、アバタースナックという取り組みもある。


2つ目は、アバターとAIを使った研修支援サービス「アバトレ」である。アバターとAIを利用して営業研修や新人研修、接客のトレーニングができるサービスである。

「2つのサービスに共通するのは、対話データと対話技術です。AVITAでは、この対話データを中心にテクノロジーとデータと人を活かしてマルチプロダクト展開するコンパウンド戦略をとっています」

では、アバターによるサービスでは、対話はどのように組み立てられているのだろうか。
ひとつは、お客様とAIの対話である。例えば、セルフレジの操作をAIが対話的にサポートするといった具合だ。ただ、AIだけでは難しいケースも出てくる。その場合は、人間のスタッフがリモートで引き継ぐことになる。また、お客様と人間のスタッフの対話であってもAIがサポートする仕組みも開発しているという。
「このように人とAIの連携を強化していきたい」と三上氏は語った。そのために、AIと人がどのように連携するかを設計する専用のシナリオエディタも開発している。ある時はAIが対応する、ある時は人間が対応するといったシナリオを設定可能にして、お客様との接点はアバターを通じて行われるが、裏ではAIだったり、人間だったりとシームレスに切り替わっていくのだ。

「AVITAでは、労働の完全な自由化を目指し、いつでもどこでも働ける、より進んだカーボンニュートラルの世界を作りたいと考えています。そして、アバターで働く人々の新しいコミュニティを構築し新たな社会を作っていくことで、アバターで人類を進化させるというビジョンを持っています」
すでに、複数の企業でAVACOMとアバトレの導入が始まっている。ビジネスの拡大を目指して人材を募集しているそうだ。

「AVITAでは、プロダクトマネージャーやプロジェクトマネージャー、インフラやバックエンドエンジニア、あるいはAIエンジニアなどを広く募集しております」と力強く訴えてセッションを締めくくった。