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話題のあの人にインタビュー!

Joelに聞く、「優れた開発者」の要件・心構え・努力すべきこと

Joel Spolskyの考える優れた開発者とは


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先月、ソフトウェア開発プロセスのエキスパートとして世界的に有名な、Joel Spolsky氏が来日した。CodeZineでは、関連書籍、Webの翻訳をいくつも手掛け、同氏に精通している青木靖氏を聞き手に、「Joelの考える優れた開発者」というテーマでインタビューを実施。優れた開発者に必要とされる条件とは。また、優れた開発者を目指すには、何を行ったらよいのだろうか。

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ソフトウェア開発プロセスのエキスパート、Joel Spolsky

――今日は「Joelの考える優れた開発者」というテーマでインタビューさせていただきたいと思います

 実はこのような公式のインタビューを受けることはあまりありません。ふつうは私のWebサイト『Joel on Software』(邦訳版)を見た人がコメントを寄せてくれたり、引用していいかと聞いてきたりするくらいで、こういう機会は珍しいですね。

Fog Creek Software創業者 CEO Joel Spolsky氏
Fog Creek Software創業者 CEO Joel Spolsky氏
Joel Spolsky(ジョエル・スポルスキー) 略歴
 世界的に認知されているソフトウェア開発プロセスのエキスパート。彼のWebサイトJoel on Softwareは、世界中のソフトウェア開発者に人気があり、30以上の言語に翻訳されている。ニューヨークにあるFog Creek Softwareを創業し、ソフトウェアチームのためのプロジェクトマネジメントシステムとして人気のあるFogBugzを作った。JoelはMicrosoftでExcelチームのメンバーとしてVBAをデザインし、Juno Online Servicesでは数百万人が使うインターネットクライアントを開発した。

優れた開発者の要件

――まず、「優れた開発者にはどのようなことが求められるか」についてお聞かせください

 ああ、大変だ。それなら12箇条ありますね。(笑)

 まじめに答えると、見方が二つあって、ひとつは成功するチームを作る上で誰を選ぶかということです。私はそういうとき、頭がよく物事を成し遂げる人(smart and gets things done)を選ぶようにしています(注1)。

 会ったときにその人が頭がいいか判断するのは通常難しくありません。しかし物事を成し遂げる人かどうか知るのはもう少し難しくて、実際にその人がうまく物事を成し遂げてきたという実績を見る必要があります。

 もうひとつおまけのルールがあって、それは嫌なやつでないということです。おまけだと言ったのは、会社によっては嫌なやつでもかまわず採用し、それで問題なくやっているところもあるからです。

注1
 Joelは"Smart and Gets Things Done"というタイトルで開発者の採用に関する本を書いている(邦訳『ソフトウェア開発者採用ガイド』)。
――頭がいい(smart)というのには様々な要素がありますが、具体的にはどういったことを考えているのでしょうか? たとえばコミュニケーションできるとか、学ぶ力があるとか、情熱を持っているとか

 いろいろな側面があると思いますが、私が成功する開発者か判断するときに見るのは、ごく特定のことで、それは第一に再帰が使えること、第二にポインタが使えるということです。もちろんこれらがプログラマに必要とされるすべてというわけではありませんが、この二つは優れたプログラマになるかどうかの非常にいい指標になるのです。この二つができるというのは才能であって、ある人は持っているし、ある人は持っていないものなのです。

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この記事の著者

青木 靖(アオキ ヤスシ)

1993年東京工業大学理工学研究科情報科学専攻修士課程修了。ソフトウェア開発者。横浜市在住。趣味で翻訳しているソフトウェアに関する読み物がwww.aoky.netにある。訳書に『Joel on Software』(オーム社、2005年)、『Best Software Writing』(翔泳社、2008年)、『ソフトウェア開発者採用ガイド』(翔泳社、2008年)。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/2292 2008/09/05 11:05

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