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ASP.NET 3.5 Extensions + ASP.NET MVCフレームワーク

もう一つのASP.NET 「ASP.NET MVC」を知る(前編)

ASP.NET 3.5 Extensions + ASP.NET MVCフレームワーク


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URLルーティング

 MVCの肝の部分としてURLルーティングが挙げられます。今までASP.NETでは「.aspx」ファイルやフォルダがある場所のURLしか表示できませんでした。しかし、URLルーティングを利用することで、仮想的にURLマッピングを行えるようになります。

 図4のソリューション構成の場合、通常ならばhttp://xxx/Views/Home/Index.aspxとなります。しかし、 URLルーティングを利用するとhttp://xxx/Home/IndexというURLになります(図5)。

図4 ソリューションエクスプローラ
図4 ソリューションエクスプローラ
図5 ASP.NET MVCのURLルーティング例
図5 ASP.NET MVCのURLルーティング例

URLルーティングの特徴

 図5のURLルーティングは以下のコードにより実装されています。

PubsController.cs URLルーティングの例
public class HomeController : Controller
{
    // ActionResultメソッドで返るActionResultオブジェクトは
    // そのままViewページにルーティングされる
    public ActionResult Index()
    {
        // Titleキーを利用するとブラウザのタイトルとして表示される
        // この場合はHome Pageが表示
        ViewData["Title"] = "Home Page";
        // ViewDataにキーと値を格納
        ViewData["Message"] = "Welcome to ASP.NET MVC!";

        // コントローラークラスのViewメソッドで、
        // ルーティング先のViewPage名を設定する
        // パラメタが指定されない場合は
        // メソッド名と同名のViewPageに値を返す
        return View();
    }

}

 上記メソッドが呼び出されるとコメントに書いてあるURLマッピングが行われます。例えば、「XXX」という名前のフォルダや、「.aspx」ファイルがなくとも、URLマッピングが行えるのです。そして、マッピングには表示するのに必要なメソッド名、パラメタなどを使用するので、シンプルに分かりやすいURLを構築できます(URLルーティング)。

 このURLルーティングにより開発者は本来必要だったフォルダやファイルの構築から解放され、自分が構築したかったURLを簡潔に素早く実装できるようになりました。

 なぜこのようなことができるようになったのでしょうか? ポイントはURLルーティングルールにあります。

URLルーティングルール

 ASP.NET MVCプロジェクトを作成した時点で、ルーティングルールを「Global.asax」に自動生成します。原理として、Webアプリケーション起動時に一度だけ呼び出されるGlobal.asaxのApplication_StartメソッドからRegisterRoutesメソッドを呼び出してルーティングルールをルートコレクションに追加しています。

 ルーティングルールは、「リクエストにより利用するURLの雛形を定義する」ことと、「リクエスト時にパラメタが足りない場合の雛形の初期値の設定」を行います。

 以下のコードは既定で作成されるルーティングルールです。

PubsController.cs URLルーティングの例
public class GlobalApplication : System.Web.HttpApplication
{
    public static void RegisterRoutes(RouteCollection routes)
    {
        // IgnoreRouteメソッドは
        // ルート特定のURLパターンの処理を停止させる
        // ここでは.axdの処理を停止するよう指定
        routes.IgnoreRoute("{resource}.axd/{*pathInfo}");

        // MapRouteメソッドは新しいルーティングルールを
        // ルートコレクションに追加する
        // ここでは既定のルートとして
        // "http://xxx/Home/Index"へとルーティングされる
        routes.MapRoute(
            // Route name(ルート名)
            "Default",
            // URL with parameters(URLとパラメータ名)
            "{controller}/{action}/{id}",
            // Parameter defaults(既定のパラメータ値)
            new { controller = "Pubs", action = "Hello", id = "" }
        );

    }

    // Webアプリケーション起動時に一度だけ呼び出されるメソッド
    protected void Application_Start()
    {
        RegisterRoutes(RouteTable.Routes);
    }
}

 "{controller}/{action}/{id}"はhttp://ApplicationURL/の後ろに表示されるURLです。ASP.NET MVCではこのMapRouteで追加されたコレクションのURLしか表示されません。

ルートコレクション概要
定義 概要
{controller} Controller名(例えばPubsControllerならPubs)。
{action} Viewメソッドを呼び出すController内のメソッド名。
{id} Viewメソッドにパラメタが必要な場合に利用するパラメタ。

 ルーティングルールは複数設定することができますが、リクエストによっては複数のルーティングルールに当てはまる場合があります。この時には、ルート名を指定することで、どのルートにパラメタを渡すか指定することができます。

次のページ
ViewDataの利用方法

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト ナオキ(ナオキ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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