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Silverlight 2で作成する業務アプリケーション入門(AD)

Silverlight 2で大きく変わったコントロール

Silverlight 2で作成する業務アプリケーション入門 (2)

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画面遷移について

 本サンプルではユーザーコントロールを使って画面遷移を実装します。ユーザーコントロールとは、ちょうど業務アプリケーションでの1画面(1フォーム)に対応するようなUIコントロールで、各種コントロールのレイアウトと対応するロジックを含んでいます。Silverlight 2ではユーザーコントロールから別のユーザーコントロールを呼び出すこともできます。

ユーザーコントロールと画面の対応

 ユーザーコントロールが1画面(1フォーム)に対応するというのは、厳密な定義ではなく、一つのユーザーコントロールに複数画面のUIを作り込むことも可能です。ただ、特別な理由がない限り、画面遷移はユーザーコントロール単位で行うことをお勧めします。

 具体的には、アプリケーション本体のRootVisualプロパティに設定したXAMLが、起動時に表示されます。

 RootVisualはアプリケーションのメインUI(起動時に表示するユーザーコントロール)を設定するプロパティで、一つのアプリケーションで一度だけ設定できる属性です。

 ユーザーコントロールのContentプロパティも同様に、指定したユーザーコントロールを表示するプロパティです。アプリケーションのRootVisualプロパティとは異なり、Contentプロパティは何度でも設定可能で、複数のユーザーコントロールを切り替えて表示することができます。

 それでこのサンプルでは、アプリケーション起動時に、ユーザーコントロール内に可視オブジェクトを配置しない(=つまり何も表示しない)XAMLであるBehind.xamlを読み込む(RootVisualプロパティに設定する)ようにして、このBehind.xamlのユーザーコントロールが、状況に応じてLogonやMainといった別に構成されているユーザーコントロールを呼び出す(Contentプロパティに設定する)ことにより、画面遷移を実現します。

サンプル1での画面遷移
サンプル1での画面遷移

 なお、今回のように2画面間の遷移だけであれば、RootVisualプロパティにLogon.xamlを設定し、Logon.xamlのContentプロパティを通してMain.xamlを表示することはできます。しかし、画面がさらに増えた場合、画面遷移のためのコードが複雑になってしまいますので、ログオン後も繰り返し画面遷移が発生する業務アプリの場合は、ここで示すような実装がより適当と言えます。

使用するコントロールについて

 サンプル1で使用する各コントロールについて概説します。

サンプル1のレイアウト
サンプル1のレイアウト
Button

 Buttonコントロールはマウスやキーボードなどの各デバイスからユーザー入力を受け付けます。押された場合に発生するClickイベントのほか、さまざまなイベントを発生させます。表に主なプロパティを列挙します。x:NameやHeight、Widthなどの基本的なプロパティはButtonだけではなく多くのコントロールで共通になっています。

Buttonコントロールの主なプロパティ
名前 概要
x:Name コントロールを一意に識別する名前を設定
Height オブジェクトの高さを指定
Width オブジェクトの幅を指定
HorizontalAlignment Grid内でオブジェクトの水平位置を指定
VerticalAlignment Grid内でオブジェクトの垂直位置を指定
Grid.Column オブジェクトを配置するGridの列を指定
Grid.Row オブジェクトを配置するGridの行を指定
Content ボタン上に表示するテキストを指定
Click 押された時のイベントハンドラを指定
ClickMode Hover、Press、Releaseなどボタンクリックに対するイベント発生のタイミングを指定
TextBox

 テキスト入力用のコントロールです。サイズは自由に変更することができ、読み取り専用や複数行、折り返しの設定も可能です。

TextBoxコントロールの主なプロパティ
名前 概要
Text 表示テキストの設定および入力内容を取得する場合に利用
TextAlignment テキストの配置方法を指定
IsReadOnly 読み取り専用とするかどうかを設定
TextWrapping 1行の長さが入力ペインの幅を超えた場合の改行方法を設定
AcceptsReturn 入力に改行コードを使用できるかどうかを設定
TextBlock

 テキストを表示するコントロールです。Textプロパティにより表示内容を設定します。また、フォントや文字の大きさなども指定できます。TextBlockは表示専用のコントロールで入力には対応していません。プロパティの多くはTextBoxと共通です。

PasswordBox

 パスワード入力用のテキストボックスコントロールです。入力時にマスクがかかるので、目視で文字列を確認することはできなくなります。取得された文字列はPasswordプロパティで取得できます。

サンプルの構成

 まず、連載の前回と同じ要領で新しいプロジェクトを作成します。プロジェクト名は「LogonApplication」としました。デフォルトで読み込まれるPage.xamlは今回使用しないので削除しましょう。ソリューションエクスプローラ上から該当ファイルを選択し、右クリックのコンテキストメニューで削除できます。

 続いて各画面に相当するXAMLファイルを作成します。本項目のサンプルでは以下のXAMLファイルを使用します。

XAMLファイルの構成
XAMLファイル名 概要
Behind.xaml ルートに指定するが表示の実体はなく、ビハインドコードで別ファイルのユーザーコントロールクラスを呼び出す
Logon.xaml ログオン画面ユーザーコントロール
Main.xaml 業務メイン画面ユーザーコントロール
App.xaml Silverlight 2アプリケーション本体を定義するファイル(プロジェクト作成時に自動生成される)。このファイルから、他のユーザーコントロールが呼び出される

 Silverlight 2アプリケーション本体はApp.xamlで定義されており、App.xamlから他のユーザーコントロールが呼び出されることで画面表示が行われます。前述の通り、App.xamlのRootVisualプロパティに設定したBehind.xamlが起動時に読み込まれ、そこからContentプロパティに設定することで、Logon.xaml、Main.xamlが呼び出されます。

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サンプル1の実装

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Silverlight 2で作成する業務アプリケーション入門連載記事一覧

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 土井 毅(ドイ ツヨシ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/3427 2008/12/26 11:00

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