ADO.NET Data Servicesの作成
Data Servicesの作成前に行うべきことがあります。それは、EDMの作成です。なお、本サンプル・プログラムを動作させるに当たっては、無償で提供されているPubsデータベースを利用可能な状態にしておく必要があります。
サンプルシナリオは、「社内ネットワーク上に書き込み、読み取り全て可能な可能な状態のサービスを配置し、同一プロジェクトからJavaScriptファイルを利用して、別プロジェクトから.NETクライアント ライブラリを利用してアクセスする」というものです。ただし、ASP.NET AJAXの仕様として、別ドメインへのアクセスが許可されていません。そのため、JavaScriptファイルを利用してアクセスするフォームはホスト側に配置します。
サンプルは上記シナリオに沿って2つのプロジェクトを作成します。Data Servicesをホストするプロジェクトと、それを利用するクライアントプロジェクト(+ASP.NET AJAXでの利用ページ)です。
Entity Frameworkの理解
Data Servicesを利用する場合、Entity Frameworkについても知っておく必要があります。Entity Frameworkとは論理スキーマ(論理テーブル)と概念スキーマ(エンティティ=オブジェクトとほぼ同義)をマッピングスキーマがマッピングし、概念レベルでのモデルの設計とクエリの実行を可能にする非常に柔軟なフレームワークです。Entity Frameworkを実現しているのが、EDMです。
詳しくはこちらを参考にしてください。
Entity Data Modelの準備
VS2008を起動してC#のWebプロジェクトを作成後に(サンプルではDataServicesHostと名前設定)、ソリューション エクスプローラ上で右クリックし、[新しい項目の追加]を選択します。選択後[新しい項目の追加]ダイアログが表示されるので、テンプレートとして「ADO.NET Entity Data Model」を選択し、名前を「Pubs.edmx」と設定後[追加]ボタンをクリックします(図3)。
ボタンをクリックすると、Entity Data Modelウィザードが起動するので、モデルに含めるコンテンツの設定を[データベースから生成]と選択して[次へ]ボタンを押します(図4)。EDMの作成は原則ウィザードに従っていくことで簡単に生成できます。
続いて、データ接続の選択を行います。本サンプルではpubsデータベースの接続設定を行い(Web.Configに保存し)[次へ]ボタンを押します(図5)。ここでは、DataSetの作成時と同様に、接続文字列をWeb.Configに保存できます(Windows Formの場合はApp.Config)。
最後にEDMに追加するデータベース・オブジェクトの選択を行います。本サンプルではpublishers/titles/salesテーブルを選択、モデル名前空間が''pubsModel''になっていることを確認し、[完了]ボタンを押します。これによりPubsデータベース内のテーブルがすべてEDM上に生成されます(図6)。
正しくEDMが作成されていることを確認した後、保存して閉じます。これでEDMの準備は完了です。