アプリケーションの配置
以上で、アプリケーションの作成は完了しました。続いて、作成したアプリケーションを実際にクラウド上に配置しましょう。Visual Studio 2008のソリューションエクスプローラでプロジェクト「CloudService1」を右クリックし、出現するメニューから[発行]を選択します。
アプリケーションがビルドされ、完了するとパッケージが発行されたフォルダのウインドウとブラウザが起動します。ブラウザにはWindows Azureのログイン画面が表示されるはずです。アカウント情報を入力し、ログインしましょう。
最初にポータル上でアプリケーションを配置する新しいプロジェクトを作成します。スタートページであるサマリー画面で左側のメニューの[+ New Project]リンクをクリックしてください。作成するプロジェクトの種類を選択する「Project | Create a new service component」画面に進みます。
今回作成するのはWebロールのプロジェクトです。「Windows Azure」 以下の「Hosted Service」のアイコンをクリックします。
続いて「Project Properties」画面でプロジェクトに付けるラベルと説明を入力しましょう。今回はラベルに「CloudService1」と入力し、説明は省略しました。[Next]をクリックし、次の画面に進みます。「Hosted Service」画面に進みます。ここではURLなどの必要事項を入力しましょう。
ここで入力するURLはクラウドサービスを公開する際のURLです。ドメイン部分は「.cloudapp.net」から変更することができません。入力後、[Check Availability]ボタンで入力したURLが使用可能かどうかをチェックできます。
下段の「Hosted Service Affinity Group」は、アプリケーションをホストするサーバの物理的な地域の確認です。既存の他のサービスと連携させる場合は物理的な地域を指定した方が良いようですが、今回はデフォルトの「No,this server is ~」のままで構いません。
入力が完了したら[Create]ボタンをクリックしてください。プロジェクトの作成が完了し以下の画面に進みます。
続いてビルドしたパッケージをアップロードします。「Staging」項目にある[Deploy]ボタンをクリックましょう。アップロードするファイルを選択する以下の画面に進みます。
「App Package」および「Configuration Settings」の項目でそれぞれ[Browse]ボタンをクリック、ファイルを選択します。選択するファイルは先ほどの[発行]処理で生成された拡張子「.cspkg」のアプリケーション本体と、拡張子「.cscfg」の設定ファイルです。また、アップロードするにあたり、「Properties」の項目に任意のラベルを入力します。入力したラベルはプロジェクトの管理画面に表示されるので、バージョン管理などに利用すると便利です。ファイルの選択とラベルの入力が完了したら[Deploy]ボタンをクリックしてください。しばらく時間が経過すればアップロードが完了します。
必要なファイルのアップロードは完了ですが、アプリケーションは未起動です。続いて[Run]ボタンをクリックしアプリケーションを起動します。アプリケーションの初期化作業が始まり、メッセージ欄に「Initializing」と表示されます。
アプリケーションの初期化作業にはしばらく時間がかかります。メッセージが「Started」に変わったらアプリケーションの起動は成功です。
この時点ではアプリケーションはステージングつまり確認用の段階で、公開状態ではありません。下に表示される「Web Site URL:」にアクセスすることにより、ステージング状態のまま実際の動作を確認することができます。問題がなければ、アプリケーションを製品として公開する段階、つまりプロダクション状態にしましょう。矢印が組み合わさっている形の中央のアイコンをクリックすることにより、プロダクション状態に移行します。
以上でアプリケーションのクラウド上への配置と起動はすべて完了です。