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Windows Azureで作成するアプリケーションの基礎

Windows Azureクラウドサービス運用の実際

Windows Azureで作成するアプリケーションの基礎(2)

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Windows Azureサービスの配置と運用

 ここまではWindows Azureを利用するためのアカウント取得の方法を扱いました。ここからは実際にサンプルアプリケーションを作成し、クラウド上に配置して運用していきましょう。

サンプルアプリケーションで使うWindows Azureの機能

 今回はイベントログおよびWindows Azure特有の機能であるローカルストレージの利用を含むサンプルアプリケーションを作成します。これらの機能について簡単に紹介します。

ローカルストレージ

 ローカルストレージはWindows Azureが動作する仮想マシン上に定義することができるストレージ領域です。データを恒久的に保存する必要がある場合は、前回の連載でも触れたAzure Storageを利用するべきですが、一時的なデータを格納する場合はローカルストレージも利用可能です。ローカルストレージの領域はWebロールまたはWorkerロールが動作する仮想マシン内部にあるため、一般的に言ってアクセス速度などの面で優れます。一時的な用途であり、なおかつ大容量のファイルまたはアクセス頻度の高いファイルはローカルストレージに配置することでシステム負荷の軽減やパフォーマンスの向上を見込めるでしょう。

 ただし、ローカルストレージは一時的なキャッシュ領域としての利用を前提としています。アプリケーションの一時停止や再起動などのタイミングでファイルが削除されアクセスできなくなる恐れがあるので、恒久的な保存を前提としたデータを配置することがないよう注意が必要です。

イベントログ

 Windows Azureは動作中のイベントログを記録しています。イベントログは、GUIから確認できるほか、XML形式のファイルに出力可能です。イベントログにはイベント発生の時間、イベントの種類、スレッドID、メッセージなどが含まれます。以下に実際にダンプしたログの一例を示します。

ダンプしたログの一例
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<ServiceDiagnostics
  Service="deployment(112)"
  ServiceDeployment="deployment(112)"
  Role="WebRole"
  RoleInstance="deployment(112).CloudService1.WebRole.0">
    <Event
      Time="2009-06-08T12:57:16.8187603Z"
      Name="Information"
      Severity="Info"
      ThreadId="6472">
      <EventProperty
        Name="message">Entered GetHealthStatus()</EventProperty>
    </Event>
</ServiceDiagnostics>

 ログの確認方法や取得方法についてはさらに後述します。

作成するアプリケーションの動作

 以下に完成したアプリケーションの動作イメージを示します。

サンプルアプリケーションの動作画面
サンプルアプリケーションの動作画面

 [ストレージ]ボタンをクリックすると、テキストボックスの入力内容をローカルストレージ上のテキストファイルに追記します。同時に、ローカルストレージから読み込んだ内容を画面に表示します。

 また、[ログ]ボタンをクリックするとテキストボックスの入力内容を、ログに書き込みます。ログの内容はブラウザには表示せず、後述する別のツールで確認します。

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Visual Studio 2008を使ったアプリケーションの作成

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 土井 毅(ドイ ツヨシ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/4122 2009/07/17 14:00

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