実際の運用
では動作を確認しましょう。画面上のリンクをクリックして、アプリケーションのURLにアクセスします。ブラウザからアプリケーションの動作が確認できるかと思います。ブラウザのURL欄はクラウド上のURLでありアプリケーションが確かにWindows Azure上で運用されていることが分かります。
さて、今回のサンプルはイベントログへの出力を含んでいます。ローカルでの実行の際は仮想マシンのインターフェイスからイベントログを確認できましたが、運用中のWindows Azureアプリケーションには残念ながらイベントログを確認するためのツールがありません。運用中のイベントログの確認について詳しくは後のコラムを参照してください。
運用中のサービスを停止する場合は[Suspend]ボタンをクリックします。停止後、[Delete]ボタンでアプリケーションを削除できます。アップロードされているのはビルドされたパッケージなのでポータル上からコードを修正することはできません。コードの修正が必要な場合はローカルで編集した上、改めてビルド→アップロードの手順を踏む必要があります。
ただし、設定ファイルはパッケージと分離されているので、ポータル上で修正することが可能です。プロジェクトの画面で[Configure]ボタンをクリックすると以下の画面が表示されます。
設定ファイルはこの画面から直接編集することもできますし、拡張子「.cscfg」のファイルをアップロードして変更することも可能です。
上記の設定画面では[Copy Logs]をクリックすることで運用中のWindows Azure仮想マシンのイベントログを保存することができます。
保存先はWindows Azureのストレージのみが指定できます。この機能を使うにはAzure Storageのアカウントを有効にする必要があります。
残念ながら現時点では公式のツールに、ストレージ上のログを直接参照する機能がありません。ログの参照が必要な場合はWindows Azure SDKの「CloudDrive」サンプルを利用するか、ウェブ上にいくつかリリースされている非公式のツールを使うなどする必要があります。『Windows Azure のアプリケーション開発』のページも参照してください。
まとめ
今回は、実際にWindows Azure特有のコードを含むアプリケーションを作成し、クラウド上で運用してみました。Windows Azureでクラウドサービスを運用する際のイメージをつかんでいただけたかと思います。
次回は、Azure上でさまざまなデータを扱うことができるAzure Storageについて扱います。お楽しみに。