はじめに
シリーズ初回では、OpenSocialの概要を紹介しました。OpenSocialはSNS上で動作するアプリケーションに必要な仕様を、SNSに依存しないかたちで定義したものでした。OpenSocialに対応するSNS(コンテナ)は数多くありますが、本連載では今年8月に正式公開された、mixiのOpenSocial対応サービスであるmixiアプリを対象とします。今回はmixiアプリの概要と、はじめてのmixiアプリ作成までの流れを説明します。
mixiアプリとは
GoogleがOpenSocialを発表したのは2007年11月1日でしたが、早くもその翌日である11月2日には、日本最大の会員数を持つSNSであるmixiがOpenSocialへの賛同を表明しました。
その後mixiはOpenSocialに準拠したサービスである「mixiアプリ」を開発者向けに「オープンβ」として公開し、2009年8月24日より一般ユーザー向けにも正式公開しました。現時点でmixiアプリが対応しているOpenSocialのバージョンはv0.8.1です。
はじめてのOpenSocialアプリケーションを作ってみよう
それでは、OpenSocialの最初のサンプルとして、早速mixi上で動作するアプリケーションを作ってみましょう。やや複雑な手順となりますので、順を追って説明します。
mixiアプリ作成のための準備
現在のところ、mixiアプリを作成するには、以下の条件が必要です。
- mixiアカウントを所持していること
- (個人の場合は)デベロッパー登録
(法人の場合は)パートナーアカウント登録 - ガジェットXMLを公開するためのWebサーバを所持していること
1.のmixiアカウントは既に所持しているものとして、2.以降の条件について説明します。
デベロッパー登録・パートナーアカウント登録
個人の方はmixiにログインしたうえで、「Developer登録」ページよりデベロッパー登録を行ってください(mixiへのログインが必要、以下同様)。
なお、デベロッパー登録の際には、本人確認のためと思われますが、携帯メールアドレスの登録が必要です。迷惑メール対策を行っている場合は、mixi.jpドメインからのメールを受け取れるように設定してください。
法人の方はパートナーアカウント登録が必要です。「パートナーアカウント登録(法人の方)」ページに記されている手順に従って登録を行ってください。
上記ページからダウンロードできるパートナーアカウント申込書に記入し、法人戸籍謄本と合わせて郵送での申し込みとなります。なお、法人用のパートナーアカウントでは、最大20個までのテストアカウントが提供されるようです。
ガジェットXMLを公開するためのWebサーバ
mixiアプリは前回説明したとおり、mixiのサーバではなく、外部のWebサーバに配置されたガジェットXMLを読み込んで動作する仕組みとなっています。そのため、mixiアプリ作成のためにはWebサーバでXMLを公開する必要があります。Webサーバには特別な機能は必要なく、ガジェットXMLを公開するだけですので、レンタルサーバや、Google App Engineなどの環境を使うこともできます。なお、WebサーバにはガジェットXMLだけでなく、CSSファイル、JavaScriptファイル、画像ファイルなどを配置して、ガジェットXMLから読み込むようにすることもできます。
以上でmixiアプリ作成のための準備は完了です。