3千人を超える開発者によるチーム開発
同様に、チーム開発をサポートするTeam Foundation Server(TFS)のテクノロジーもVS2010の開発に活用された。
VS2010開発におけるすべてのコード資産の管理はTFSで行われ、目安としてShanku氏の所属するDeveloper Division全体での数字になるが(VS2010以外のプロダクトを含む)、2010年1月時点で15.5TB、2,510万ファイルのソースコードを管理し、14日間で3,600人の開発者が一斉にTFSを使用したという。
VS2010は非常に大規模なアプリケーションであり、ベータ版のリリース時には品質レベル的に満足できるものではなかったが、実際に大規模開発にVisual Studioを使用しているユーザーからのフィードバックが非常に有益な情報となった。VS2010ベータ版の利用者数は、バージョン2005と2008のベータ版利用者数の合計を上回ったため、多くの情報によって継続的に改善を加えていくことができた。
マイクロソフト技術の最も大きな事例でもある「Visual Studio 2010」
このように、VS2010はマイクロソフト自身が示したWPFやTFSの最も大きな事例の一つと言えるだろう。
実際、WPFでは、あらゆるプラットフォームに対応させるための知識やパフォーマンス最適化のノウハウを得ることができ、TFSでは、数千人の開発者が同時に開発を行うことで、より堅牢性のあるプロダクトへと進化させることに成功したという。
Niyogi氏は「次バージョンのVisual Studio開発においても、Windows Phone 7を初めとする新しいプラットフォームをサポートし、アプリケーションライフサイクルマネージメントに関して開発者が何を必要としているかを研究し改良を続けていきたい」と語った。
IE9 2ndプレビュー版リリース
IE9の担当者でもあるShanku氏は、最近2ndプレビュー版が提供されたIE9についても現況を語った。
大きく2つのポイントがあり、まず1つは、HTML5のサポートによって従来どおりのコードやマークアップが使用できるのかということだ。これには、それぞれのブラウザがどのように実装しているかによって微妙な違いが発生してしまう問題がある。IE9 2ndプレビュー版では、ブラウザにテスト機能を実装して、互換性テストを行うことを可能としている。
2つ目は、パフォーマンス向上だ。IE9ではGPUのサポートやJavaScriptのマルチコア対応によって、マシンスペックが要求されるようになってきた最近のWebアプリケーションにも対応できるようにしている。
Shanku氏は「現在公開されているIE9 TestDriveのサイトでHTML5がブラウザ上にどのように表示されるかを確認できるので、開発者の方々はぜひプレビュー版を試してみて欲しい」と呼びかけていた。