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今からでも遅くない これから始めるScala

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Scalaってどんな言語?


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関数の宣言

 Scalaでは、関数の宣言はdefキーワードを用います。次のような書式となります。

[リスト4]Scalaの関数宣言
def 関数名[型パラメータ]( 引数名:引数型,・・・ ):結果型 = {
  関数本体
}

 例えば、Int型の引数nを受け取って、偶数の場合にはtrueを返すような関数は、このように定義できます。

[リスト5]関数の例
scala> def isEven( n:Int ):Boolean = {
     |   n % 2 == 0
     | }
isEven: (n: Int)Boolean

scala> isEven( 3 )
res1: Boolean = false

 さて、このisEven関数の結果型はBoolean型ですが、関数の結果はどのように返すのでしょうか?

 Scalaでは、関数の本体で最後に評価された式の値が、その関数の返り値になります。isEven関数で最後に評価される式は、n % 2 == 0です。これは、引数nを2で割ったあまりが0になるか(ようは偶数であるか)を判定するもので、結果はBoolean型ですので、isEven関数はBoolean型が返り値になります。

 なお、REPL上では任意の箇所で関数を宣言できますが、実際のソースコード上では関数はいずれかのclassやオブジェクトに属する必要があります。

クラスの利用

 Scalaは、Javaをベースとしたオブジェクト指向言語です。当然クラスを宣言して利用することができます。

 さらに、ScalaではTraitを用いたMix-inや、シングルトンオブジェクトを定義できるobjectキーワードなど、Javaにない便利な機能があります。これらの詳細は次回以降に解説する予定です。

 クラスの宣言はclassキーワードを利用して、次のように行います。

[リスト6]クラスの例
class Point( x:Int, y:Int ){
  val pointX = x
  val pointY = y
  override def toString = "%d:%d" format (x,y)
}

 class Point( x:Int, y:Int )のように、クラス名の後にはコンストラクタの引数を宣言します。これは、関数定義の引数と同様の書式です。

 Scalaでは、クラスのコンストラクタはこのように宣言します。複数のコンストラクタを定義する方法は、次回以降に解説します。

 クラスの本体で中でval/varキーワードを用いると、そのクラスのフィールドになります。デフォルトのアクセス修飾子はpublicです。

 また、クラス定義の中でdefキーワードを利用して関数を宣言すると、そのクラスのインスタンスメソッドになります。Scalaには、staticな変数や関数はありません。

[リスト7]クラスの利用
scala> val p = new Point( 10,20 )
p: Point = 10:20

scala> p.toString
res5: String = 10:20

scala> p.pointX
res6: Int = 10

 このように、newキーワードでクラスのインスタンスを作成し、フィールドや関数にアクセスすることができます。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 尾崎 智仁(オザキ トモヒト)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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