Silverlight WishListとフィードバック
マイクロソフトは、多くの開発者の声をもとにSilverlight 4の開発を進めてきました。PDC 09で講演したマイクロソフトの副社長スコットガスリー氏は、Silverlight 4で実装されたWebカメラやマイク、印刷などの機能は、ユーザーからの投票結果を反映して実装されたと説明していました。
少し先の話になりますが、Silverlight 5でも引き続きユーザーの声を募集しているようです。以下の2つのフォーラムへ投稿することが、ユーザーの声を開発チームに届ける近道になります。どちらも英語での投稿になりますが、自分の声を今後の製品に反映させることもできるかもしれません。
- UserVoice 内のSilverlightの機能提案フォーラム
- MSDN Forumの次のエントリー
Silverlightでバグを報告したり、製品に対するフィードバックを行いたい場合は、マイクロソフトのConnectを通じて報告できます。Connectでは、日本語で投稿するとマイクロソフトのスタッフが英語に翻訳し、Silverlightの開発者にフィードバックを助けてくれます。もちろん、英語のフォーラムに直接フィードバックを行うこともできます(投稿には、マイクロソフトのLiveアカウントが必要です)。
ブラウザを越えた体験の提供
Silverlight 4の新機能で最もインパクトが大きかったのは、ブラウザ外実行時の信頼されたアプリケーションではないでしょうか。筆者も、この機能を初めて目にしたときは、その可能性に大きな衝撃を受けたことを覚えています。
通常、Silverlightのアプリケーションでは、ドメインをまたいだネットワークアクセスは制限され、クライアントのファイルシステムには限定的にしかアクセスできません。ですから、クライアント環境に、あらかじめインストールされたExcelをCOM経由で起動して表に値を書き込む、などということは到底不可能でした。
Silverlight 4では、この機能を使うことで、ユーザーがインストールを許可した場合に限り、ローカルにインストールされたSilverlightからあらかじめインストールされているCOMオートメーションを呼び出したり、プログラムから任意のファイルへアクセスしたり、アプリケーションの状態を画面外に通知したりできます。この結果、ブラウザのプラグインの枠を越えた体験をユーザーに提供することができます。図2は、ブラウザ外実行で信頼されたアプリケーションとしてインストールされたSilverlightからExcelを起動し、A1のセルに文字列を書き込んでいる例です。
このようなアプリケーションの場合、ブラウザ外実行のインストール時に、図3のように通常とは違うダイアログが表示され、通常のブラウザ外実行とは異なるダイアログでユーザーに注意を呼びかけるようになります。
以下に、インストール時のダイアログの違いを図示します。
ブラウザ外実行は、今後の連載で重点的に取り上げていく予定です。どうぞご期待ください。
Silverlight 4の開発環境
さて、ここからはSilverlight 4の開発環境について触れていきましょう。
今までのSilverlightと同様に、XAMLやC#やVB.NETなどのプログラムコードを記述する環境さえあれば、メモ帳やテキストエディターでもアプリケーションの開発は可能です。しかし、本格的なアプリケーションを作成するには、アプリケーションのビルドやデバッグの簡略化、インテリセンスでの開発効率の向上、チーム開発のための機能にアクセスする開発環境のサポートは欠かせません。
Silverlightの開発はVisual Studioで行うことが多いと思われますが、現在ではVisual Studio Express(無料版)もあります。試しにSilverlightをさわってみたいという方は、こちらをインストールするのもお勧めです。
また、SilverlightでUIのデザインやアニメーションを作成するのに欠かせないExpression Blendも、評価版が用意されています。
Silverlight 開発に必要なリソースは、次のURLからダウンロードできます。
- Visual Studio 2010 評価版
- Visual Studio 2010 Express
- Silverlight 4 Tools(ToolsにはSDKが含まれています)
- Silverlight 4 SDK
- Silverlight 4 オフラインドキュメント
- Expression Blend 4 トライアル版
Visual Studio 2010はSilverlight 3の開発を標準でサポートしていますが、Silverlight 4の開発の場合は、上記のSilverlight 4 Toolsを別途インストールする必要があります。