一貫性を重視するより、パーツの再利用を考えた開発を
よくデベロッパーは一度開発したらどこでも動く(つまりWrite once, run anywhere)が理想であると言う。しかし、本当にそんなことができるのだろうか。アドビでは、あまり現実的な選択肢ではないと考える。
むしろ、一貫性を犠牲にしてでもパーツごとに再利用を考えた作り方をし、状況に応じて組み合わせる方が、デバイスごとに最適化したアプリを提供できるという考えだ。例えば、デスクトップPCに加速度センサーの機能があったり、テレビに印刷する機能がついていたりしても意味がない。
具体的には「プロフィール」という概念を導入することで、デバイスごとの機能や性能が多少変わっても、似通ったものを大まかに分けたグループごとに、一貫性を守るようにする。
検討中の機能「ビデオ」「ゲーム」「エンタープライズアプリケーション」
アドビでは新機能を追加する際、必ずどのようなビジネスを作り出すための機能かを追求する。実装がいつになるか分からないと前置きした上で、検討中の追加機能が紹介された。現在、最もサポートしたい分野は「ビデオ」「ゲーム」「エンタープライズアプリケーション」の3つだという。
また、プロフィールごとの対象デバイスの拡充も検討しているという。特にモバイルではiOS、Android以外にも様々なデバイスが存在するので、今後はPalm OSやMeeGoなどにも対応していきたいとした。
次バージョンで検討している機能として具体的には、デバイスのサブカメラ、テレビの人物感知センサーのような未対応のセンサーのサポート、ネイティブ拡張を挙げた。ネイティブ拡張はすでにデスクトップ版では実装されているが、Android向けのAIRに対しても実装し、AIRアプリの選択肢を広げていきたいとしている。また、AIR 2.5のWebKitは前回のバージョンから変わっていないため、HTML5を100%カバーする形で更新していきたいとも述べている。