VMロールプロジェクトの作成と配置
ここからは、VMロールプロジェクトを作成します。はじめに、Visual StudioでWindows Azureプロジェクトを作成します。
Visual Studioを起動し、[ファイル]-[新規作成]-[プロジェクト]を選択します。Windows Azureプロジェクトを選択し[OK]ボタンをクリックします。新しいWindows Azureプロジェクト作成画面が表示されるため、何も指定せず[OK]ボタンをクリックし、ソリューションを作成します。
クラウドプロジェクトの「ロール」を選択し、[追加]-[新しい仮想マシンロール]を選択します(注5)。プロジェクトそのものは追加されず、サービス構成ファイルと、サービス定義ファイルにVMロールに必要な情報が構成されます(図18)。
[新しい仮想マシンロール]は通常の状態だと表示されません。ベータプログラム申し込み後に送付されてくるメールの手順にしたがって有効化する必要があります。
次に、このVMロールで使用するVHDイメージを選択します。[ロール]-[VMRole1]を選択しダブルクリックし、VMロールのプロパティエディタを開き「仮想ハードディスク」タブを選択します(図19)。
Windows Azureアカウントは、Visual StudioからWindows Azureの管理APIに接続可能なアカウントを選択します。既にVisual StudioからWindows Azureにプロジェクトを配置できるように設定済みであれば、それが使用できます。
VHDイメージは、選択されたアカウント上にアップロードされたVHDイメージが選択可能です。
VMロール上のIISへ接続できるようにするため、エンドポイントの設定を行います。「エンドポイント」タブを選択します(図20)。
Windows Azure 外部からのリクエストを受け付けるため、エンドポイントの種類は、「Input」を選択します。IISを構成したので、プロトコルは「http」、パブリックポートおよび、プライベートポートはともに80番を指定します。これにより、外部からHTTP 80番ポートのリクエストをVMロールへルーティング可能となります。
VMロールのデプロイ方法は、通常のWeb、Workerロールと同様です。「VMRoleSample」プロジェクトのコンテキストメニューから「発行」を選択し、Windows Azure上に配置します。
Administratorアカウントは無効化されているため、VMロールへのリモートデスクトップ接続には、Visual Studioからのリモートデスクトップの設定が必要です。「Windows Azureの運用/デバッグを効率化する リモートデスクトップ」を参考に設定を行ってください。Administrator以外のアカウントが設定済みでかつリモートデスクトップ接続が許可されていれば、ここで設定しなくても問題ありません。
VMロールの動作確認
VMロールの配置が完了したら、ブラウザでアクセスしてみます。IISが設定済みであるため、下図の画面が表示されれば問題なく動作しています(図21)。
VMロールにリモートデスクトップ接続しても、他のロールと同様であることが確認できます(図22)。
まとめ
ここまでで、単純なVMロール向けVHDファイルの作成からアップロード、配置までの感触をつかんで頂けたでしょうか。
前述したようにVMロールの準備では一般化が必要ですが、ソフトウェアが対応していなかったり、永続化ストレージが十分に準備されていなかったりと、運用するには厳しい面があります。今後の機能向上に期待したいところです。
次回は引き続き、VMロールにおける差分VHDの扱いと、いくつかのTipsについて説明したいと思います。