はじめに
アプリケーションのユーザーインターフェースは、アプリケーションの顔であり機能の操作性でもあります。このUIの出来によっては、アプリケーションの評価が大きく変わるとも言えます。
Microsoft Office2007で導入されたリボンインターフェースは、Windows標準のツールバーを大きく進化させたもので、その特徴はツールバーにタブページを組み込むことで、アプリケーションの操作体系をわかりやすいものにしながら、多くの機能をツールバー化することができる点だと思います。
ComponentOne Studio 2012に含まれている「Ribbon for Windows Forms 2.0J」は、Microsoft Office 2007で導入された『リボンツールバー』を実装しているコンポーネントです。これを使用すると、Microsoft Officeユーザーインタフェースと同じルック&フィールを備えたアプリケーションを開発できます。
そこで今回は、前回の記事「Accessのデータをステップチャートで表示する.NETアプリケーションの作成」で作成したアプリケーションにリボンインターフェースを組み込み、ボタンでグラフの種類を変更できるようにしてみました。
対象読者
Visual Basic、Visual C# 2010を使ってプログラムを作ったことのある人
必要な環境
Visual Basic 2010、Visual C# 2010、Visual Studio 2010でプログラムが作れる環境。なお、本プログラムはWindows Vista上で動作するVisual Studio 2010を使用して作成し、動作確認を行っています。
Ribbon for Windows Forms 2.0Jを使って作成したアプリケーションを配布する場合、Ribbon for Windows Forms 2.0Jのアセンブリファイルを添付する必要があります。これは、Common Language RuntimeのDLLをアプリケーションと一緒に配布するのと同じです。
本記事のサンプルアプリケーションを正常に動作させるためには、次のファイルをインストールする必要があります。
ファイル名 | 説明 |
C1.Win.C1Ribbon.2.dll | 本体アセンブリ |
C1.Win.C1Ribbon.4.dll | 本体アセンブリ(※.NET Framework 4/4 Client Profileでのみ使用可能) |
これらのファイルを、プログラムを実行するフォルダにフォルダ構成を変えずに格納します。.NET Framework 2.0から追加されたクラスやメンバを使用しているので、.NET Framework 2.0以上のバージョンの.NET Frameworkがインストールされていることが必須条件です。
コンポーネントのインストール
この記事の手順を試すには、Visual Studio、Visual Basic、Visual C#の開発環境にComponentOne Studio for Windows Forms 2010Jをインストールする必要があります。インストーラは、グレープシティのWebページからダウンロードできます。
製品のトライアル版一覧ページにてダウンロードしたい製品にチェックを入れ、ページ右上部の[申込フォーム]をクリックしてグレープシティのWebサイトへ必要情報を登録すると、添付トライアルライセンスキーファイルとダウンロードサイトを記載したE-Mailが送られてきますので、ここからダウンロードします。制限事項などの詳細については、インストーラに同梱されているリリースノートを参照ください。
コントロールの追加
インストール後、プロジェクトにツールボックスに専用のタブを作成し、使用するコントロールを追加します。追加するコントロールは、アセンブリ名が「C1.Win.C1Ribbon」の「C1Ribbon」「C1StatusBar」です。
また、ツールボックスにコンポーネントを追加しただけでは、プロジェクトにコンポーネントを追加したことにはなりません。プロジェクトの参照設定へ次のDLLへの参照を組み込んでください。
- Component One C1Ribbon JPN(C1.Win.C1Ribbon.2.dll)
- Component One C1Ribbon JPN(C1.Win.C1Ribbon.4.dll/※.NET Framework 4の場合)